ONU(Optical Network Unit)とは?光回線の要となる家庭用終端装置を徹底解説

高速インターネットの普及により、光回線は現代の通信インフラに欠かせない存在となっています。

その中で、家庭やオフィスなど利用者側に設置される重要な機器が「ONU(Optical Network Unit)」です。

本記事では、ONUの基本的な役割、機能、設置構成から、最近の多機能型機種や実際の利用ケースまでを、IT視点から詳しく解説します。

ネットワーク設計やFTTH導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

ONUとは何か?

基本定義と役割

ONU(Optical Network Unit)とは、光ファイバー回線と宅内ネットワーク(LANなど)との間を中継するための終端装置です。

主に以下の役割を担います:

  • 光信号と電気信号の変換

  • コンピュータやルーター、Wi-Fi機器へのデータ転送

  • 通信事業者の装置(OLT)と連携して上下りデータの整理と振り分け

ONUは、PON(Passive Optical Network)構成の中で、通信局舎側のOLTとセットで動作し、ユーザーごとのデータ伝送制御を行います。

ONUの機能と構成

ONUの基本構成

一般的なONUは以下のような構成になっています:

  • 光ファイバーポート(SC/LCコネクタ):通信会社からの光回線を接続

  • LANポート(RJ45):家庭内ネットワークやパソコンに接続

  • 変換モジュール:光信号 ↔ 電気信号の相互変換を実行

  • 電源ユニット:ACアダプタまたはPoE供給方式

単体型 vs 多機能型(ホームゲートウェイ)

近年では、ONU単体ではなく、以下のような多機能を搭載したホームゲートウェイ型ONUが一般的です:

このような機種を使用すれば、1台でインターネット接続から家庭内ネットワーク構築まで対応でき、別途ルーターやスイッチを用意する必要がありません。

ONUの利用例と通信フロー

通信フローの仕組み

FTTHサービスにおける基本的なデータの流れは以下の通りです:

  1. 通信事業者のOLTが複数の加入者向けに光信号を送信

  2. ONUは送信された信号から自分宛てのものを識別

  3. 光信号を電気信号に変換し、LAN経由で宅内機器に伝送

応用例:NTTフレッツ光のONUレンタル

NTT東日本・西日本のフレッツ光では、以下の2つの提供形態が存在します:

  • ONU単体:無料レンタル、ルーターは利用者が用意

  • ホームゲートウェイ型ONU:月額数百円でレンタル、Wi-Fiや電話機能も一体化

これにより、ネットワーク構築の柔軟性が高まり、初心者から上級者までニーズに応じた選択が可能です。

技術的観点:ONUのプロトコル対応と進化

プロトコル対応(GPON/XGS-PON)

ONUは、以下のようなPON規格に対応する必要があります:

  • GPON(Gigabit-capable PON):最大2.5Gbps対応、最も一般的

  • XGS-PON:10Gbps対称通信を実現、商用利用が拡大中

使用するONUがどの規格に対応しているかによって、通信速度や安定性が大きく変わります。

セキュリティと管理機能

最近のONUは、TR-069などのリモート管理プロトコルをサポートし、通信事業者側からの設定変更やトラブル対応が容易です。

これにより、保守管理コストが削減され、ユーザーにも安定した通信が提供されます。

まとめ

ONU(Optical Network Unit)は、FTTHネットワークにおけるユーザー宅の最前線を担う重要な通信装置です。

  • 光回線と宅内機器の橋渡し役

  • 光信号と電気信号の変換

  • Wi-FiやLAN機能を備えた多機能型が主流

  • プロトコルやネットワーク仕様に応じた機器選定が重要

今後も高速・大容量通信へのニーズの高まりに伴い、ONUの役割はますます重要になります。

ネットワーク導入や機器選定の参考として、本記事の情報をぜひ活用してください。

さらに参考してください:

OLT(Optical Line Terminal)とは?光回線の心臓部を担う装置の仕組みと役割を解説

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