インフラストラクチャモード(infrastructure mode)は、無線LAN(Wi-Fi)の重要な動作モードの一つで、ネットワーク接続を制御するためにアクセスポイント(AP)を使用します。
本記事では、インフラストラクチャモードの仕組み、利点、及び具体的な運用方法について詳しく解説します。
無線ネットワークを最適化し、効率的に運用するための知識を深めることは、現代のIT環境において欠かせません。
インフラストラクチャモードとは
定義
インフラストラクチャモードは、無線LANにおいて、各端末がアクセスポイント(AP)を介して接続される方式を指します。
APはネットワークの中心的な役割を果たし、全ての通信を中継します。
アクセスポイントの役割
1.通信の中継
各端末はAPと通信し、APが他の端末や外部ネットワークへの信号を中継します。
2.効率的な通信
**PCF(Point Coordination Function)**と呼ばれる機能により、各端末の信号が重ならないよう調整され、効率的な通信が実現されます。
APの設置と構成
- APは固定的に設置され、電波の届く範囲に配置されます。
- 有線LAN(イーサネット)を通じて他のネットワークやインターネットに接続されることが一般的で、AP同士を有線で接続して大規模な無線ネットワークを構成することも可能です。
SSIDと接続プロセス
SSIDの重要性
- APには**SSID(Service Set Identifier)**と呼ばれる識別名が設定され、端末は接続したいSSIDを選択します。
- 公衆Wi-Fiなどではすぐにアクセスできることもありますが、企業や家庭で運用するAPは認証機能があり、適切な接続手続きを行った端末のみがアクセス可能です。
接続手順
- 端末は周囲のSSIDをスキャンします。
- 接続したいSSIDを選択し、必要な認証情報を入力します。
- APを介してネットワークに接続します。
インフラストラクチャモードの利点
安全性と管理の容易さ
APを介することで、ネットワークのセキュリティを強化できます。
認証が必要なため、不正アクセスを防ぎやすくなります。
拡張性
有線でAPを接続することにより、簡単にネットワークを拡張できるため、企業や大規模な施設でも柔軟に対応可能です。
信号の安定性
APを通じて信号を中継するため、端末間の距離が離れていても安定した通信が可能です。
アドホックモードとの違い
アドホックモードの特徴
- インフラストラクチャモードに対して、APを介さずに端末同士が直接接続してデータの送受信を行う動作モードをアドホックモード(ad hoc mode)またはインディペンデントモード(independent mode)と呼びます。
- 例えば、2台の端末を相対で接続したい場合に利用されます。
まとめ
インフラストラクチャモードは、無線LANの効率的な運用に不可欠な方式であり、通信の安定性や安全性を向上させる重要な役割を果たしています。
APを介したネットワーク構成は、特に企業環境において利便性と拡張性を提供します。
IT環境における無線ネットワークの運用を最適化するために、インフラストラクチャモードの理解と適用は非常に重要です。