システムバス(system bus)は、コンピュータ内部でのデータ通信の基盤となる重要な要素です。
このバスは、CPUと他の装置間を接続し、システム全体の性能に大きな影響を与えます。
本記事では、システムバスの基本概念、主要な種類、そして最近の技術革新について詳しく解説します。
システムバスの基本
システムバスの定義
システムバスとは、コンピュータ内部で各装置を結ぶデータ伝送路のことです。
特に、CPUと他のコンポーネント(メモリや入出力デバイスなど)を接続するために設計されています。
このバスは、システムの大動脈として機能し、データの効率的なやり取りを実現します。
システムバスの構成
一般的なパソコンでは、チップセットを介して各装置が通信します。
CPUとチップセット間の伝送路がシステムバスと呼ばれることが多く、シンプルな構成のコンピュータでは、CPUとメモリ、外部入出力などが一つのシステムバスで接続されることもあります。
主なシステムバスの種類
DMI(Direct Media Interface)
DMIは、Intel社のx86系マイクロプロセッサに搭載されたコンピュータで使用されるデータ伝送路です。
DMIはバスではなく、ポイントトゥポイント接続のインターコネクトとして機能します。
もともと、ノースブリッジとサウスブリッジを結ぶために開発され、現在では従来のフロントサイドバス(FSB)の代替としても用いられています。
QPI(QuickPath Interconnect)
QPIもまた、Intelのx86系マイクロプロセッサで使用されるポイントトゥポイント接続のインターコネクトです。CPU間やCPUとチップセットを結ぶための高性能なデータ伝送路で、特にマルチプロセッサ型システムにおいて重要な役割を果たします。
UPI(Ultra Path Interconnect)
UPIは、QPIをさらに高速化した技術で、CPU間やCPUとチップセット間のデータ伝送を行います。
UPIはQPIと基本的な仕様が共通しておりながら、転送効率が向上し、消費電力も削減されています。
フロントサイドバス(FSB)
フロントサイドバスは、かつてCPUとチップセット(ノースブリッジ)を結んでいたバス型のデータ伝送路です。Pentium II以降、FSBはチップセットとの接続用のバスと2次キャッシュ用のバスに分かれました。
FSBは、マザーボードから供給されるベースクロックと同じ動作周波数で動作していましたが、Pentium 4以降はこの関係が変わり、混乱を招くこととなりました。
システムバスの重要性と未来
システムバスは、コンピュータの性能を左右する重要な要素です。
技術が進化する中で、より高速で効率的なデータ伝送路が求められています。
DMI、QPI、UPIなどの新しい技術は、これらの要求に応えるべく開発され、将来的にはさらなる進化が期待されます。
まとめ
システムバスは、CPUと他の装置を結ぶ重要なデータ伝送路であり、システム全体の性能に大きな影響を与えます。
DMI、QPI、UPIといった新しい技術は、コンピュータの進化を支える基盤となっています。
システムバスの理解は、IT分野での技術革新を追求する上で欠かせない要素です。
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