システムリソース(system resource)は、特に旧式のWindowsシステムで動作するソフトウェアが共用する、メインメモリ上の重要な領域です。
本記事では、システムリソースの定義、役割、そしてそれがシステムのパフォーマンスに与える影響について詳しく解説します。
システムリソースの基本概念
システムリソースとは
システムリソースは、旧式のWindows(9xシリーズおよびそれ以前)で、ソフトウェアが共有するメインメモリ上の特別な領域を指します。
具体的には、以下の2つのリソースがあります:
- USERリソース: ソフトウェアの操作に関連するダイアログやウィンドウなど、ユーザーインターフェースの情報を格納します。
- GDIリソース: フォント、ビットマップ画像、アイコンなど、画面表示に使用するグラフィックス情報を格納します。
システムリソースの制約
システムリソースは、あらかじめ設定された容量を持っており、メモリを増設してもリソースの容量は増加しません。
このため、リソースが不足すると、新しいソフトウェアを起動することができなくなります。
リソースの使用状況の管理
リソースメーター
Windowsには、リソースの使用状況を表示するためのユーティリティソフトであるリソースメーターが付属しています。
このツールを使用すると、USERリソースとGDIリソースの残量を確認することができ、残量が少ない方がシステムリソースの残り容量となります。
リソースリーク
ソフトウェアがバグなどによってリソースの解放を怠る現象をリソースリークと呼びます。
リソースリークが発生すると、ソフトウェアを終了してもリソースが完全に回復しないため、次第に使用可能な領域が減少し、最終的には再起動が必要となることがあります。
Windowsのバージョンによる違い
16ビットアプリケーションと32ビットアプリケーション
16ビットアプリケーションが使用するリソースの制約は厳しく、Windows 3.1以降で確保される領域は384KBです。
一方、Windows 95以降は32ビットアプリケーション用の6MBが追加され、リソースの扱いが改善されました。
ただし、32ビットアプリケーションでも、内部で16ビットDLLを呼び出す場合には16ビット用のリソースを消費することがあります。
Windows NT系列の変化
Windows NT系列(Windows 2000/XP以降)では、リソース管理の方式が大きく変わり、実質的に制約がなくなりました。
そのため、システムリソースに関する問題に悩まされるのはWindows Meが最後となりました。
まとめ
システムリソースは、旧式のWindowsシステムにおいて重要な役割を果たしています。
USERリソースとGDIリソースの管理が適切に行われないと、ソフトウェアの動作に深刻な影響を及ぼすことがあります。
特に、リソースリークに注意し、適切な管理を行うことが重要です。
最新のWindowsではリソース管理が改善され、ユーザーはこれらの問題に悩まされることが少なくなっています。システムリソースの理解は、IT技術者にとって非常に重要なスキルとなります。
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