シャドーIT(shadow IT)とは、企業や組織内で従業員が自ら判断して導入した情報システムやデバイスのことを指します。
これらは経営部門やシステム管理部門による把握や管理が行き届いておらず、潜在的なセキュリティリスクを伴う場合があります。
本記事では、シャドーITの概要、リスク、そして対策について詳しく解説します。
シャドーITの定義と背景
シャドーITの基本概念
シャドーITは、組織の正式な承認を得ずに使用されるIT機器やソフトウェアを指します。
具体的には、従業員が個人のスマートフォンやタブレット、USBメモリ、さらには独自に契約したクラウドサービスなどを業務に利用することが含まれます。
ITコンシューマライゼーションの影響
近年、消費者向けのIT機器が高機能化し、個人向けの便利なソフトウェアやサービスが増加したことにより、業務用のIT製品もこれに追随せざるを得なくなっています。
この現象をITコンシューマライゼーションと呼び、結果的にシャドーITの発生を助長しています。
シャドーITのリスク
セキュリティ上の脅威
シャドーITは、以下のようなセキュリティリスクを引き起こす可能性があります:
- マルウェア感染: 管理されていないデバイスが社内ネットワークに接続されることで、ウイルスやマルウェアが広がる危険性があります。
- 情報漏洩: 従業員が個人のデバイスに機密情報を保存することで、データが漏洩するリスクが高まります。
- 通信障害: 正式な設計に反して、異なる通信機器が導入されることで、通信の混乱を引き起こすことがあります。
シャドーITへの対策
システムの監視と管理
シャドーITを防ぐためには、システムの徹底した監視が不可欠です。
以下の対策が一般的です:
- 定期的な監査: 組織内で使用されているIT機器やソフトウェアのリストを作成し、定期的に監査を行います。
- 接続の制限: 未承認のデバイスからの接続を制限することで、リスクを減少させます。
BYOD(Bring Your Own Device)政策
一方で、従業員が効率化を求めてデバイスを持ち込む背景を考慮し、一定のルールのもとでのBYOD政策を導入する企業も増えています。
BYODでは、従業員が自らのデバイスを業務に利用できるようにし、適切な管理システムを構築します。
サンクションITの重要性
シャドーITと対比される概念としてサンクションIT(sanctioned IT)があります。
これは、組織として正式に導入したIT機器やソフトウェア、クラウドサービスを指し、これを利用することでリスクを軽減することが可能です。
まとめ
シャドーITは、企業における隠れたリスクですが、適切な管理と対策を講じることで安全に利用することも可能です。
組織はシャドーITのリスクを理解し、適切な方針を立てることで、業務の効率化を図ることが重要です。
管理されたIT環境の中で、従業員の創造性や業務効率を最大限に引き出すことが求められています。
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