スループットとは?コンピュータと通信の性能を理解する

スループット(throughput)は、IT分野において、システムや通信路の性能を評価する重要な指標です。

スループットは、単位時間あたりに処理できる量を示し、コンピュータの処理能力や通信回線の実効伝送量に関わります。

本記事では、スループットの概念、計測方法、及び関連する要素について詳しく解説します。

スループットの基本概念

スループットとは何か?

スループットは、コンピュータシステムが単位時間に実行できる処理の件数や、通信回線を通じて送受信できるデータ量を表します。

具体的には、処理の場合はCPUやメモリ、ストレージの性能、通信の場合はビット毎秒(bps)やバイト毎秒(Bytes/s)で示されます。

スループットの計測方法

  1. 処理のスループット: コンピュータの性能を測る際には、業界団体が提供するベンチマークプログラムを用いて、処理件数を計測し相対的なスループットを算出します。
  2. 通信のスループット: 通信システムの場合、データを送受信する際の実効伝送量を測定します。

例えば、1秒あたりのデータ転送量を示す「ビット毎秒」や「バイト毎秒」が用いられます。

スループットとレイテンシの関係

スループットの重要性

スループットは、データ処理や通信の効率を示す指標として非常に重要です。

特に、大量のデータを扱う場合、スループットが大きな影響を持ちます。

レイテンシの影響

ただし、スループットだけでは通信の「速さ」を決定することはできません。

遅延時間(レイテンシ)も大きな影響を与えます。

たとえば、衛星回線でのテレビ中継では、高スループットでも、発言のたびに数秒の間が生じることがあります。これは、衛星の距離によるレイテンシの影響です。

実効スループット

スループット

実効スループットとは?

実効スループット(effective throughput)は、実際に通信や計算を行った際の、単位時間あたりの処理能力やデータ転送量を示します。

理論上の最大処理能力(理論スループット)と異なり、実際の環境やデータの選び方によって変化します。

実効スループットの計測方法

実効スループットは、特定の環境下で実際に大きなファイルを送受信し、かかった時間を測定することで計算されます。

これにより、エラー訂正やプロトコルのオーバーヘッドによる影響を考慮に入れた、実際のデータ転送能力を把握することができます。

まとめ

スループットは、コンピュータシステムや通信回線の性能を評価するための重要な指標です。

スループットとレイテンシの関係を理解することで、システムの効率を最大限に引き出すことができます。

実効スループットを測定することで、実際の使用環境における性能を把握し、最適なシステム構成や通信環境を構築することが可能です。

 

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