デジュールスタンダード(de jure standard)は、特定の技術や製品に対する公的な基準を指します。
この基準は、公的機関や標準化機関によって定められ、信頼性と安定性を提供します。
本記事では、デジュールスタンダードの定義、その重要性、及びIT業界における具体例について詳しく解説します。
デジュールスタンダードの基本概念
デジュールスタンダードの定義
デジュールスタンダードとは、法的な手続きや制度に基づいて制定された標準規格を指します。
これには、日本のJIS規格や米国のANSI規格、欧州のEN規格などが含まれ、国際的にはISO(国際標準化機構)やIEC(国際電気標準会議)、ITU(国際電気通信連合)が制定した規格も該当します。
標準化団体の役割
標準化団体が策定する規格は、信頼性を担保するために公的機関や政府が関与することが重要です。
一方で、企業連合や業界団体、専門家集団によって策定された規格は「フォーラム標準」と呼ばれ、こちらは公的な基準ではありません。
デファクトスタンダードとの違い
デファクトスタンダード(de facto standard)は、特定の企業や製品が広く普及した結果、実質的な業界標準となるものを指します。
つまり、デジュールスタンダードは公的な規定に基づいているのに対し、デファクトスタンダードは市場の受け入れに基づく標準です。
IT業界におけるデジュールスタンダードの具体例
文字コード標準
IT業界では、デジュールスタンダードの一例として、ASCIIやJIS X 0201といった文字コード標準が挙げられます。
これらは、異なるシステム間でのデータの互換性を確保するために必要不可欠です。
プログラミング言語の標準化
プログラミング言語においても、デジュールスタンダードが存在します。
例えば、JavaScriptはEcma Internationalによって策定されたフォーラム標準(ECMAScript)を経て、ISO/IEC 16262やJIS X 3060として正式に標準化されました。
これは、デファクトスタンダードが標準化活動を通じてデジュールスタンダード化された良い例です。
まとめ
デジュールスタンダードは、特定の技術や製品に対する公的な基準を提供し、信頼性と安定性をもたらします。
IT業界では、文字コード標準やプログラミング言語の標準化がその具体例です。
デジュールスタンダードの理解は、技術者や企業がより高い品質を提供するために欠かせない要素となります。