データセンター(Data Center)は、インターネットを通じて外部にサービスを提供するための重要な施設です。
サーバーや通信装置が集中的に運用されるこの施設は、企業やIT事業者にとって非常に重要な役割を果たしています。
本記事では、データセンターの基本的な概念から、IDC(インターネットデータセンター)、ホスティング、ハウジングサービスなど、関連する運用形態まで幅広く解説します。
データセンターとは?
データセンターは、インターネットや企業内のシステム向けにサーバーやネットワーク機器を集中管理・運用する施設のことです。
特に、インターネットを通じてサービスを提供するために設置されたものは、**インターネットデータセンター(IDC)**として知られています。
これらの施設は、企業の情報システム部門やIT事業者にとって不可欠な存在であり、近年では専門の事業者に委託する企業も増えています。
データセンターの構造
データセンターには、サーバーや通信機器が高密度で配置されています。
これらの機器は、19インチラックなどの専用棚に収められており、非常に効率的なスペース利用が求められます。
一般的なオフィス環境とは異なり、データセンター内には人間が作業するための机や椅子はほとんどありません。
代わりに、管理者向けの簡素な設備が用意され、機器の管理や監視が行われます。
データセンターの主な設備には、以下のようなものがあります:
- 受電・配電設備:大容量の電力供給が必要です。
- 予備電源(UPS・ディーゼル発電機):停電時に備えるため、無停電電源装置(UPS)や発電機が設置されています。
- 空調設備:機器が発生する熱を効率的に除去するための冷却システムが必須です。
- 耐震・免震構造:災害時にも機器が安全に運用できるよう、耐震性の高い構造が求められます。
- 入退室管理:セキュリティを確保するため、厳格な管理と記録が行われます。
データセンターの運用形態
データセンターの運用にはいくつかの形態があります。
特に、ホスティングやハウジング(コロケーション)、マネージドサービスといったサービス形態が一般的です。
ホスティングサービス
ホスティングは、サーバーやネットワーク機器をデータセンターの事業者が提供する形態です。
契約者は、リースやレンタルの形でサーバーを借り受け、インターネット経由で利用します。
この形態は、インフラを自前で持たずに済むため、設備投資を抑えることができるメリットがあります。
ハウジング(コロケーション)サービス
ハウジング(またはコロケーション)は、契約者が自分でサーバーを用意し、そのサーバーをデータセンター内に設置する形態です。
管理は契約者側が行い、データセンターは電力や冷却、インターネット回線といったインフラを提供します。
これにより、企業は自社のサーバーを安全で効率的に運用することができます。
マネージドサービス
マネージドサービスは、ハウジングの中間形態とも言えます。
契約者がサーバーを持ち込むものの、日常的な管理や運用はデータセンターの事業者側が担当します。
これにより、契約者はハードウェアの管理から解放され、より効率的にサービスの運営ができます。
コンテナ型データセンター
近年注目されているのが、コンテナ型データセンターです。
これは、貨物コンテナに必要な電力設備、空調、通信機器を収納し、運搬できるデータセンターの形態です。
この方式は、迅速にデータセンターを設置したい場合に非常に便利で、コンテナをトレーラーや船で運ぶことができ、必要な場所に簡単にデータセンターを開設できます。
コンテナ型データセンターの特徴
- 機動性:必要な場所に簡単に運搬できるため、特定の地域で即席のデータセンターを立ち上げることができます。
- コスト効率:従来のデータセンターと比べて、設置コストが低減される可能性があります。
- 拡張性:需要に応じて、必要な数のコンテナを運び込むことができるため、柔軟な拡張が可能です。
まとめ
データセンターは、現代のインターネット環境において非常に重要な役割を果たしています。
特に、**インターネットデータセンター(IDC)**は、外部サービスの提供において欠かせないインフラです。
また、ホスティング、ハウジング、マネージドサービスといった運用形態により、企業やIT事業者は効率的にインフラを運用できるようになっています。
さらに、コンテナ型データセンターのような新しい運用形態も登場しており、今後のデータセンターの進化に注目が集まっています。