フローチャート(flowchart)は、業務やプログラムの処理手順を視覚的に図式化するための有効な手法です。
特にIT業界では、アルゴリズムの設計やプロセスの整理、業務改善のために日常的に活用されています。
本記事では、フローチャートの意味・基本記号・ITでの実践的な使い方を中心に、JIS規格に基づいた図記号の解説や、現場での応用例を交えて詳しく紹介します。
フローチャートとは何か?
H2: フローチャートの定義と役割
フローチャートとは、あるプロセスや処理の流れを、図形と矢印を使って順序立てて表した図のことです。
工程を視覚化することで、全体の流れが把握しやすくなり、論理的な誤りや無駄の発見にも役立ちます。
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IT業界では、プログラムの設計・アルゴリズムの可視化に不可欠
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ビジネスでは業務フローや手順の標準化にも活用
H2: フローチャートの基本構造
フローチャートには開始(Start)と終了(End)が必ず含まれ、その間に複数の処理や判断が順を追って配置されます。
分岐やループ(繰り返し)などの条件分岐構造も図として明確に表現されます。
フローチャートで使われる主な記号と意味
フローチャートで使用する図記号は、JIS規格(JIS X 0121)で定義されています。
ここでは、主要な図形とその用途を紹介します。
H2: よく使われる図形一覧
H3: 端子(Terminator)
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用途:開始・終了を表す
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形状:楕円または角が丸い長方形
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例:
開始 → 処理1 → 終了
H3: 処理(Process)
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用途:処理や演算を示す
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形状:長方形
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例:
売上 = 単価 × 数量
H3: 判断(Decision)
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用途:条件分岐(Yes/Noなど)
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形状:ひし形
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例:
在庫 > 0? → はい:出荷、いいえ:在庫不足
H3: 入出力(Input/Output)
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用途:データの入力または出力
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形状:平行四辺形
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例:
ユーザーからの入力を受け取る
H3: サブルーチン/定義済み処理(Predefined Process)
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用途:関数・サブルーチンを表現
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形状:左右が二重線の長方形
H3: 結合子(Connector)
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用途:他のフローチャートへの移動点
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形状:小さな円
H3: 流れ線(Flowline)
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用途:処理の流れを示す矢印または線分
フローチャートのIT分野での活用例
H2: ソフトウェア開発における活用
H3: プログラム設計
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アルゴリズムの可視化
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処理の順序・分岐・ループ構造の明確化
H3: バグの発見やデバッグ支援
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フローチャートを使って処理手順を追うことで、誤った処理の特定が容易になります。
H3: ドキュメント作成・チーム共有
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複雑な処理も図として表現することで、非エンジニアにも分かりやすく伝えることが可能。
H2: ビジネスプロセスにおけるフローチャート
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業務フローや手順の標準化と改善
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新人教育用のマニュアルや手順書への活用
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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)設計の基礎資料にも
フローチャート作成時のポイントと注意点
H2: 読みやすさを意識した設計
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**一方向に流れる構造(通常は上から下、左から右)**を徹底
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分岐が多すぎないようにすることで、視認性と理解性を向上
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同じ記号を一貫して使用し、意味の混同を避ける
H2: 使用ツールの活用
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Visio、Lucidchart、draw.io、PlantUMLなどのツールを使えば、効率的かつ見栄えのよい図の作成が可能
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MarkdownやHTMLでも簡単なフローチャートは表現できる
まとめ
フローチャートは、プログラムや業務の手順を論理的かつ視覚的に整理するための重要な手法です。
特にIT業界では、設計からテスト、マニュアル作成まで広範囲にわたり活用されています。
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JIS規格に基づいた記号を理解することで、他者との連携や共有がスムーズに
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プロジェクト全体の構造把握や業務効率化にも効果的
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現場で使えるツールや記述法を活用し、フローチャートの価値を最大限に引き出しましょう
ITエンジニアにとって、フローチャートのスキルは設計力と論理力を高める必須スキルです。
この機会にぜひ、図解力を磨いてみてください。
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