再帰問い合わせとは、ドメイン名とIPアドレスを関連付けるために行われるDNSの一種で、DNSクライアントからDNSキャッシュサーバに対して行われるリクエストです。
この問い合わせは、複数のDNSサーバを経由して最終的なIPアドレスを取得するためのプロセスを示します。
本記事では、再帰問い合わせの基本概念、動作の仕組み、及びその重要性について詳しく説明します。
再帰問い合わせの基本概念
再帰問い合わせとは
再帰問い合わせは、DNSクライアント(スタブリゾルバ)がDNSキャッシュサーバ(フルサービスリゾルバ)に対して行う問い合わせであり、複数の権威DNSサーバへの探索を要求します。
具体的には、ドメイン名を解決するために以下のプロセスが行われます:
- ルートDNSサーバから「jp」の権威サーバの情報を取得
- 「jp」の権威サーバから「example.jp」の権威サーバの情報を取得
- 「example.jp」の権威サーバから「www.example.jp」のIPアドレスを取得
再帰問い合わせの仕組み
再帰問い合わせのプロセスは次のように進行します:
- クライアントからのリクエスト:
- DNSクライアントが特定のドメイン名に対するIPアドレスの取得をDNSキャッシュサーバに依頼します。
- このリクエストには、DNSメッセージの「RDビット」(Recursion Desired)が「1」に設定されています。
- DNSキャッシュサーバの役割:
- DNSキャッシュサーバは、クライアントの代わりに権威DNSサーバへの問い合わせを行います。
- これにより、クライアントが直接複数のサーバに問い合わせる非効率を解消します。
- 権威DNSサーバへの問い合わせ:
- DNSキャッシュサーバが必要な情報を取得するために、権威DNSサーバに問い合わせを行います。
- このときの問い合わせは、単に情報を聞き出す「非再帰問い合わせ」となります。
- RDビットは「0」に設定されています。
- 結果の返却:
- 最終的に取得したIPアドレスは、DNSキャッシュサーバを通じてクライアントに返却されます。
- このプロセスにより、クライアントは効率的にドメイン名の解決を行うことができます。
再帰問い合わせの重要性
再帰問い合わせは、インターネットの動作において非常に重要な役割を果たします。
以下にその利点を挙げます。
効率的なドメイン名解決
- 複数のDNSサーバへの問い合わせを一つのリクエストで代行できるため、時間とリソースの節約が可能です。
ネットワークの負荷軽減
- 各クライアントが個別に権威DNSサーバへ問い合わせを行う必要がなくなるため、ネットワーク全体の負荷が軽減されます。
キャッシュの活用
- DNSキャッシュサーバは、以前に問い合わせた情報をキャッシュしているため、同じドメイン名の再解決が迅速に行われます。
まとめ
再帰問い合わせは、ドメイン名とIPアドレスを効率的に関連付けるための重要な技術です。
DNSクライアントがDNSキャッシュサーバを介して権威DNSサーバに問い合わせを行うことで、時間を節約し、ネットワークの負荷を軽減することができます。
この仕組みを理解することで、より効果的なネットワーク設計や管理が可能になります。
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