尺度(measurement)とは、物事を測定、評価する際の基準を指します。
特に、数値によって結果を表現するための規則や方法を示すことが多いです。
本記事では、尺度の定義やその種類、特に「尺度水準」について詳しく解説します。
尺度の定義
基本概念
尺度は、長さを測るための道具(定規やメジャー)としても使われますが、広い意味では、さまざまなデータや情報を測定するための基準として理解されます。
測定する対象によって、使用される尺度の種類も異なります。
尺度水準とは?
尺度水準の重要性
尺度水準(level of measurement)とは、統計的な変数やその値を情報の性質に基づいて分類したものです。
1946年に心理学者スタンレー・スティーブンズによって提唱されたこの考え方は、以下の4つの段階に分類されます。
1. 名義尺度
名義尺度は、対象や状態を区別するために数字を割り当てる方式です。
ここでの数字は、単に異なるものを識別するためのものであり、数値間に順序や比率の意味はありません。
例えば、国番号(米国が1、日本が81)などがこれに該当します。
この場合、日本が81位という意味はなく、単に識別のための数字に過ぎません。
2. 順序尺度
順序尺度は、数字が順序を表す尺度です。例えば、競技の順位やアンケートの5段階評価などが該当します。
ここでは、順位をつけることができるものの、数値間の差や比率には意味がありません。
たとえば、将棋の段位では、8段が4段より強いとは言えますが、「2倍強い」といった比較はできません。
3. 間隔尺度
間隔尺度は、数字が順序を表すだけでなく、間隔にも意味があります。
例えば、気温の摂氏では、5度から15度への変化と15度から25度への変化は同じ幅です。
しかし、0度は便宜上の基準であり、値の比には意味がありません。
つまり、15度は5度の3倍ではないということです。
4. 比例尺度
比例尺度は、数字が順序や間隔を表し、0が原点としての意味を持つ尺度です。
長さ、重さ、時間、速度などの物理量や金額が該当します。
これにより、値の比や割合も議論することが可能になります。
尺度の水準は、名義、順序、間隔、比例の順に高くなり、高い水準の尺度は低い水準の尺度を含んでいます。
まとめ
尺度は、測定や評価を行う際の基準であり、特に統計学やデータ分析において重要な概念です。
尺度水準を理解することで、データの性質を適切に把握し、分析や解釈を行う際の指針となります。
名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の4つの尺度を理解することは、効果的なデータ分析に欠かせません。これらの知識を活用して、より精密な測定や評価を行いましょう。
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