手続き型言語の基本とは?命令型言語との違いや特徴を徹底解説

手続き型言語 は、プログラムの処理手順を一連の命令として記述するためのプログラミング言語の一種で、コンピュータにとって効率的かつ明快な指示方法です。

特に大規模なシステムや複雑なプログラムの開発において重要な役割を果たしています。

本記事では、手続き型言語の基本的な仕組みと、命令型言語との違いについて詳しく説明します。

 

手続き型言語とは

手続き型言語の概念

手続き型言語(procedural language) とは、プログラムを手続きに沿って記述し、コンピュータがその指示通りに動作するように設計された言語のことです。

手続き型言語では、処理すべき命令が上から下に順次実行され、必要に応じて複数の命令を「手続き」または「関数」としてまとめ、一つの指示として呼び出せます。

手続き型言語(procedural language)

命令型言語との関係

手続き型言語は命令型言語(imperative language) の一種であり、命令型の特性を生かしてプログラムを構築します。

すなわち、命令を一つずつ並べ、各命令が具体的な処理を示す形式です。

これにより、コンピュータが実行する処理が明確に指示されます。

 

手続き型言語の特徴と構成

代表的な手続き型言語

手続き型言語にはC言語FortranPascal などの伝統的な言語があり、これらは主に科学計算やシステムプログラミングで利用されています。

また、オブジェクト指向型の手続き型言語には JavaC++Python などが含まれます。

 

構造化プログラミング

手続き型言語の多くは、プログラムを構造化プログラミングとして設計できる特徴を持ち、プログラムの可読性や保守性を高めます。

具体的には、関数やサブルーチンを使用して、プログラムの一部を再利用可能なモジュールとして構築します。

たとえば、C言語の「関数」は、特定の処理を一つの単位としてまとめ、他の部分から簡単に呼び出せるように設計されています。

 

オブジェクト指向との関係

手続き型言語の中にはオブジェクト指向の要素を取り入れているものもあります。

例えば C++Java では、手続き(メソッド)とデータを一つのオブジェクトにまとめることで、より柔軟で拡張性のあるプログラム設計が可能です。

一方、純粋な手続き型言語である C言語 は非オブジェクト指向の構造に依存しています。

 

手続き型言語の具体例と使用場面

C言語の例

C言語 は、手続き型の特徴を活かした低レベル言語で、OSや組み込みシステムの開発で主に利用されます。

例えば、メモリ操作やハードウェアとの直接的なやり取りが可能であり、システムの基盤を構築するのに適しています。

 

Javaの例

一方、Java はオブジェクト指向の手続き型言語で、Webアプリケーションやモバイルアプリ開発において広く利用されています。

Javaのクラスとメソッドを組み合わせたプログラミングは、コードの再利用と管理を容易にし、開発効率を高めます。

 

手続き型言語の利点と欠点

利点

手続き型言語は命令を順次記述することで、プログラムの動作を予測しやすい点が特徴です。

特に、複雑な計算やデータ処理が多いプロジェクトにおいて、処理手順が明確なため、デバッグやテストが比較的容易に行えます。

 

欠点

一方で、手続き型言語はオブジェクト指向言語と比較して、コードの再利用性が低く、大規模なプログラムでは管理が難しいことがあります。

また、手続き型言語でオブジェクト指向の設計を模倣することは可能ですが、言語の構造上、柔軟性に欠ける場合もあります。

 

手続き型言語と非手続き型言語の違い

宣言型言語との比較

手続き型言語に対して、処理内容ではなく目的を宣言することでプログラムを構築する宣言型言語(declarative language)も存在します。

宣言型言語には、SQLPrologHaskell などがあり、各ステートメントが意図を示すだけで、処理手順は自動的に解釈されます。

 

使用場面の違い

手続き型言語は手順が重要な計算や制御処理に向いており、一方で宣言型言語は問い合わせやデータの抽象化が必要な場面に適しています。

たとえば、データベースクエリ言語であるSQLは、データの取得方法ではなく「どのデータを取得するか」を指定するため、データベース操作において効率的です。

 

まとめ

手続き型言語 は、コンピュータに対する命令を手順として記述することで、効率的なプログラム開発が可能です。

特にシステムやアプリケーションの動作を具体的に指示する必要がある場合に最適であり、C言語やJavaといった代表的な言語が広く利用されています。

手続き型言語の特性を理解し、適切に活用することで、複雑なプログラムも効率的に設計・実装することができるでしょう。

さらに参照してください:

プログラムの効率化に欠かせない「デッドコード」とは?原因と対策を解説

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By jisho5