データベース管理システムにおいて、データの整理や管理がいかに重要であるかは言うまでもありません。
特に、第1正規形(1NF)はリレーショナルデータベースの基礎を成す重要な概念です。
本記事では、第1正規形の定義、特徴、実際の適用例について詳しく解説し、データベース設計におけるその役割と価値を探ります。
第1正規形(1NF)の定義
第1正規形とは、リレーショナルデータベースにおけるデータの冗長性や不整合を排除するための最初のステップです。
具体的には、一つのレコード内に特定の項目が繰り返し出現したり、複数の値が結合された形式を廃止することを指します。
このようなデータ構造を改善することが第1正規化と呼ばれます。
例:書籍情報の正規化
例えば、書籍の情報を記録する表を考えてみましょう。
著者が複数人いる書籍の場合、著者の項目が人数分だけ繰り返し出現するか、あるいは著者名をカンマ区切りで列挙することがあります。
このような形式は非正規形と呼ばれ、リレーショナルデータベースでの処理には適しません。
第1正規形では、同一の項目が一つのレコードに一度だけ存在し、各項目には単一の値のみが記録されることが求められます。
第2正規形(2NF)の重要性
次に、第2正規形について説明します。
ある表が第1正規形であり、主キーの一部によって非キー項目が一意に決定できる場合、これを排除して独立した表として分離します。
これが第2正規化の目的です。
例:注文情報の正規化
受注日、顧客名、製品コード、製品名、単価、数量から構成される注文表を考えましょう。
受注日、顧客名、製品コードが主キーである場合、製品名と単価は製品コードによって一意に決まります。
このため、注文表から製品名と単価を取り除き、「製品コード、製品名、単価」からなる新たな表を作成することで第2正規形に適合させることができます。
第3正規形(3NF)への進化
第3正規形は、第2正規形を基にして、非キー項目の中で他の非キー項目によって一意に決定されるものを排除することで形成されます。
例:製品の仕入れ先情報
製品コード、製品名、仕入先コード、仕入先名、所在地、電話番号から構成される仕入れ先情報の表を例に考えます。
製品コードが主キーである場合、仕入先名や所在地、電話番号は仕入先コードによって一意に決まります。
このため、仕入先名、所在地、電話番号の項目を表から取り除き、「仕入先コード、仕入先名、所在地、電話番号」からなる新たな表を作成することで第3正規形に適合させることができます。
まとめ
本記事では、第1正規形(1NF)を中心に、データベース設計における正規化の重要性を解説しました。
第1正規形は、データの冗長性を排除し、整合性を保つための第一歩です。
さらに、第2正規形、そして第3正規形に進むことで、より効率的で管理しやすいデータベースを構築することが可能となります。
これらの正規形を理解し、適切に適用することで、データベースの性能向上に寄与できるでしょう。