🔍パスアラウンド(Pass Around)とは?IT現場で使える非対面型レビュー手法を徹底解説

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パスアラウンド(Pass Around) とは、ソフトウェア開発やシステム設計などの成果物に対して、複数のレビュー担当者に順番または同時に精査してもらう非対面型レビュー手法です。

近年では、リモートワークや分散チームの増加に伴い、効率的なレビュー方法として注目されています。

この記事では、パスアラウンドの基本概念、メリット・デメリット、具体的な運用方法、他のレビュー手法との違いをITの観点から詳しく解説します。

パスアラウンドとは何か?

基本定義と目的

パスアラウンド(Pass Around) は、成果物を個別に複数の評価者(レビュアー)へ送付し、それぞれにコメントや指摘を収集するレビュー方式です。

パスアラウンドの主な目的

  • 成果物の品質向上

  • バグや仕様漏れの早期発見

  • 第三者視点でのチェック

  • スケジュールに柔軟なレビュー対応

この方式は、対面でのレビューが困難な場合や、チームがリモート環境にあるケースで特に有効です。

パスアラウンドの実施方式

実際の運用パターン

回覧式(順番に回す)

1つの成果物を1人ずつ順番に送付し、それぞれのレビュー結果を収集します。

  • メリット:前の人のレビュー内容を次の人が参照できる(設定による)

  • デメリット:全体のレビュー完了までに時間がかかる

配布式(一斉送付)

成果物のコピーを全てのレビュー担当者に同時配布して意見を集めます。

  • メリット:スピード感のあるレビュー

  • デメリット:重複意見や意見の不一致が多発する可能性

集中式(アクセス制)

成果物を共有フォルダやWebサービスなど1箇所に集約し、各自がアクセスしてレビューします。

  • メリット:物理的な移動や配布が不要

  • デメリット:能動的なアクセスを期待する必要がある

パスアラウンドのメリット・デメリット

メリット

  • 非対面でも実施可能:リモートワーク環境に適応

  • レビュアーの負担が少ない:各自のペースで対応できる

  • 多様な意見が得られる:多人数に依頼しやすい

デメリット

  • 相互議論ができない:レビュアー間のフィードバックが分断される

  • 意見が重複しやすい:類似指摘が多数発生する可能性

  • 返信が遅れるリスク:レビュアーのモチベーションや忙しさに依存

IT分野における活用例

ソースコードレビューでの利用

GitHubやGitLabでは、Pull Request(PR)をレビュアーに順番で回す形式に近い運用が可能です。

個別コメントが残るため、パスアラウンド方式と相性が良いと言えます。

UI/UXレビューや仕様確認

画面設計書や仕様書をPDFで共有し、コメント機能付きビューアで回覧することで、視覚的にも分かりやすいレビューが可能です。

セキュリティレビュー

セキュリティ担当者によるパスアラウンドは、バグバウンティのような多視点レビューとしても機能します。

ログファイル、アクセス制御設定、暗号化方式など、広範な視点で評価されます。

他のレビュー手法との違い

まとめ

パスアラウンド は、リモート時代に適した柔軟かつ効率的なレビュー手法です。

特にIT分野では、ソースコードやドキュメントの品質向上に不可欠なプロセスとして活用されています。

対面のディスカッションに比べると議論の深さには限界がありますが、多忙なレビュアーや地理的に離れたチームには最適な手法と言えるでしょう。

今後は、コラボレーションツールやAIレビュー支援機能との連携により、さらに洗練されたパスアラウンド運用が期待されます。

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