パンくずリスト(breadcrumbs list)は、Webサイトのナビゲーション設計において重要な役割を担うUI/UXコンポーネントです。
ユーザーに「現在地」を視覚的に示すことで迷子を防ぎ、SEOにも効果的とされるこの機能は、サイト構造を最適化する上で欠かせません。
本記事では、パンくずリストの概要から設計パターン、SEO・アクセシビリティへの影響、実装上の注意点まで、IT専門知識を前提に体系的に解説していきます。
パンくずリストとは?
パンくずリストの定義と由来
パンくずリストとは、現在閲覧しているWebページが、サイト全体のどの階層・カテゴリーに属しているかを示すための階層型ナビゲーションリンクです。
例:
この名称は童話「ヘンゼルとグレーテル」に由来しており、パンくずを森にまいて帰り道を辿る様子になぞらえています。
一般的な配置と構造
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ページ上部(ヘッダー直下やメインコンテンツの上)に設置
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階層順に左から右へ表示
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区切り記号:「>」「»」「→」「▶」などが一般的
HTML例:
パンくずリストのIT的観点からの意義
ユーザビリティの向上
ユーザーがサイト内の「現在地」を把握
特に大規模なWebサイトやECサイトでは、カテゴリ構造が複雑化しがちです。
パンくずリストは、ページ間の迷子状態を防止し、ユーザーのストレスを軽減します。
上位カテゴリへの即時移動が可能
例:
商品詳細ページから「カテゴリ」や「商品一覧」へ即座に戻れるため、離脱率の低下や回遊率向上に寄与します。
SEOへの効果
Googleがパンくずリストを認識する
Googleはパンくずリストを「構造化データ(schema.org/BreadcrumbList)」として評価し、検索結果の表示にも反映します。
検索結果例:
これはユーザーにとっても視覚的に分かりやすく、クリック率(CTR)向上が期待されます。
内部リンク構造の強化
パンくずリストは各階層ページへのリンクを提供するため、内部リンクの最適化にも貢献。
これはGoogleのクロール効率を高め、インデックス精度向上にもつながります。
パンくずリストの設計と実装ポイント
3つの設計パターン
階層型(Location-based)
現在のページの階層構造を反映(もっとも一般的)
履歴型(Path-based)
ユーザーのナビゲーション履歴に基づいて生成(ECサイトの一部で利用)
属性型(Attribute-based)
商品や記事の属性に基づいて分類(複数カテゴリに属する記事に有効)
実装時のベストプラクティス
HTMLセマンティクスの活用
-
<nav>
タグの使用 -
<ol><li>
構造 oraria-label="breadcrumb"
の利用