【HMIとは?】ヒューマンマシンインターフェースの基本とIT・産業分野での実践的活用

IT辞書

HMI(Human Machine Interface/ヒューマンマシンインターフェース)は、人間と機械の間で情報をやり取りするためのインターフェース(操作手段)です。

私たちが機械に指示を出したり、その状態を把握したりする際に不可欠な技術であり、製造現場の制御システムからスマートフォンのUIまで、あらゆるシーンで活用されています。

本記事では、HMIの基本的な定義から、IT分野や産業分野での具体的な用途・設計ポイントまで、実践的に解説していきます。

HMIとは何か?

HMIの定義と目的

HMI(Human Machine Interface)は、人間と機械が情報を相互に交換する仕組みやデバイス、ソフトウェアの総称です。

  • 人間 → 機械」:スイッチ、ボタン、マウス、キーボード、タッチパネルなどを使って指示

  • 機械 → 人間」:画面表示、アラーム音、ライト、触覚フィードバックなどを使って状態を通知

これにより、機械を直感的かつ効率的に制御・操作することが可能になります。

HMIの構成要素と代表例

入力デバイス(Input)

人間が機械に指示やデータを送るための手段。

  • 物理的インターフェース:スイッチ、ボタン、ハンドル、ペダルなど

  • デジタルインターフェース:タッチスクリーン、音声認識(マイク)、キーボード、マウス

出力デバイス(Output)

機械が状態や結果を人間に知らせるための手段。

  • 視覚的出力:液晶画面、LED、メーター表示など

  • 聴覚的出力:アラーム、音声ガイダンス

  • 触覚的出力:バイブレーション、フィードバック機構(Haptic UI)

HMIとユーザーインターフェース(UI)の違い

HMIとUIの関係

IT分野においては、HMIの中でも特にソフトウェアやアプリケーションの操作画面にあたる部分をユーザーインターフェース(UI)と呼びます。

  • HMI:ハードウェアとソフトウェアを含む広義の概念

  • UI:画面デザインや操作性に特化したソフトウェア的側面

例:スマートファクトリーでは、工場の状態を可視化する「HMIパネル(タッチ操作可能)」と、その中に表示されるGUIコンソールはUIとして設計されます。

産業分野におけるHMIの応用

HMIソフトウェアとは?

産業機械や製造設備では、遠隔監視や操作を行うために専用のHMIソフトウェアが導入されるケースが多く、これは「SCADAシステム」や「PLC制御パネル」と連携して動作します。

主な機能:

  • 機械状態のリアルタイムモニタリング

  • アラーム通知

  • 設定パラメータの変更

  • 遠隔制御やログ取得

使用例:

  • FA(Factory Automation)の分野では、三菱電機やキーエンスなどのHMI端末がライン全体の制御を担う

  • エネルギー業界では、タービン制御やポンプシステムの監視にタッチパネル型HMIが使用される

IT分野でのHMI設計のポイント

ユーザビリティとアクセシビリティの確保

HMI設計において重要なのは、誰にとっても直感的で使いやすい操作性を実現することです。

注目すべき点:

  • 色のコントラストと視認性(夜間操作への対応など)

  • 誤操作を防ぐUI設計(誤タップ防止、戻るボタンの配置)

  • 多言語対応、音声出力などのユニバーサルデザイン

IoT時代のHMIの進化

近年では、IoTやクラウド技術の発展により、HMIはさらに高度な機能を持つようになっています。

  • スマートフォンやタブレットからの操作が可能

  • データをクラウドで集約・可視化

  • AIによる異常検知と連携

例:食品加工ラインで、HMI画面にAI予測による温度異常アラートを表示し、即時オペレーターに対応を促す仕組み

まとめ

HMI(ヒューマンマシンインターフェース)は、人と機械のインタラクションを成立させる中核技術です。

入力装置と出力装置を介して、直感的で効率的な機械操作を実現します。

  • Webやアプリ開発では「UI」として、使いやすさを左右する要素に

  • 産業機器では「HMIソフトウェア」として、稼働監視や自動制御の中心に

今後もIoT・AIの進化とともに、HMIはよりスマートで柔軟なインターフェースへと進化していくでしょう。

さらに参考してください:

【ビューポート(viewport)とは?】Web開発・3DCGに必須の表示領域の仕組みと設定方法

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