【UUIDとは?】汎用一意識別子の仕組み・種類・ITでの活用方法を徹底解説!

IT辞書

システム開発やデータベース設計、分散処理などにおいて「一意な識別子」は不可欠です。

中でも、世界中で重複しない識別子として広く使われているのがUUID(Universally Unique Identifier)です。

本記事では、UUIDの構造・バージョンの違い・実装方法・IT分野における活用例まで、技術者向けにわかりやすく解説します。

GUIDとの違いも明確にし、開発現場で即活かせる知識としてお届けします

UUIDとは何か?

UUIDの基本定義

UUID(汎用一意識別子)は、ソフトウェアやITシステム内でオブジェクトやリソースを一意に識別するための符号形式です。

誰でも自由に生成可能で、重複が起きないように設計されています。

  • 128ビット(16バイト)の長さを持つ

  • 通常は32桁の16進数をハイフンで区切った形式で表記
    例:f47ac10b-58cc-4372-a567-0e02b2c3d479

  • 波括弧 {}で囲う場合もあり(Windows Registryなど)

ポイント:UUIDは中央集権的な管理者が不要であり、分散システムやマイクロサービス環境でも一意性が保たれます。

UUIDのバージョンと生成方法

UUIDは5つのバージョン(Version 1〜5)が存在し、それぞれ生成方法が異なります。

Version 1:MACアドレス+タイムスタンプ

  • コンピュータのMACアドレス生成時刻を元に生成

  • ネットワーク経由で生成者を特定可能

  • 時系列でソート可能という特長がある

利用例:トランザクションIDやログトレース

Version 2:DCEセキュリティ

  • 一部のUNIXシステムで使用

  • ユーザーID(UID)やグループID(GID)を埋め込む特殊用途

  • 他のUUIDと互換性がないため、汎用利用には不向き

Version 3 / 5:名前空間+ハッシュ値

  • 名前空間(Namespace)と元データからUUIDを生成

  • Version 3はMD5ハッシュ、Version 5はSHA-1ハッシュ

  • 同じ入力からは常に同じUUIDが得られる(再現性あり

利用例:URLやドメイン名など、同一オブジェクトに対して固定UUIDが必要なケース

Version 4:完全ランダム型

  • 122ビットのランダム値により生成

  • 最もよく使われる形式。ランダム性が高く、生成が高速

  • 一意性は統計的に保証される

利用例:セッションID、CSRFトークン、APIキーなど

UUIDの構造とバリアント(variant)

UUIDのフォーマット

標準的なUUIDは以下の形式で構成されています:

8桁-4桁-4桁-4桁-12桁(計36文字)

例:550e8400-e29b-41d4-a716-446655440000

  • 第3ブロックの先頭1ビットがバージョン

  • 第4ブロックの上位ビットがバリアント

バリアントの種類

UUIDには複数の仕様(バリアント)が存在し、仕様の互換性を保つために識別されています。

開発中のUUIDの解析時に「どのバリアントか?」を確認することで、互換性や由来が明確になります。

UUIDとGUIDの違い

用語の違いと実質的な同一性

  • GUID(Globally Unique Identifier)は、UUIDと同形式の識別子で、主にWindows環境で使われる呼称

  • 技術的にはUUIDのバリアントが「110」の形式が旧GUIDで、現在はUUIDとGUIDはほぼ同義

例:WindowsのCOM(Component Object Model)で使用されるクラスIDなど

UUIDのIT分野での実用例

1. データベースの主キー

  • 分散システムで一意性を保証

  • 自動採番(Auto Increment)に依存せず安全

  • 複数ノード間で重複なく生成できる

2. REST APIのエンドポイント識別

  • シンプルかつ安全な識別子としてURLパスに利用

  • 情報漏洩のリスクが低い(予測困難)

3. セッションやトークンの生成

  • ユーザーのセッションID、認証トークンなど

  • 一時的な一意性が求められる場面に最適

まとめ

UUID(Universally Unique Identifier)は、ITシステムで重要な一意性の担保を簡単に実現できる強力なツールです。

バージョンやバリアントの違いを理解し、適切な形式を選ぶことで、セキュリティ・スケーラビリティ・保守性を向上させることが可能です。

  • Version 1〜5:生成方法の違いに応じた用途がある

  • UUIDとGUIDは実質同じ:OSや環境による呼称の違い

  • IT現場では、データベース、API、認証、トレーシングなど多岐に渡って活用

今後のシステム設計やアーキテクチャ選定時に、ぜひUUIDの特徴とバリエーションを活かしてみてください。

さらに参考してください:

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