アドホックテスト(ad-hoc testing)は、ソフトウェアやシステムのテスト手法の一つで、事前に定めた手順に従わず、テスターがその場の思いつきで操作を行う方式です。
本記事では、アドホックテストの定義、特徴、実施方法、そしてモンキーテストとの関連性について詳しく解説します。
アドホックテストの基本概念
アドホックテストの定義
アドホックテストは、テストの実施者があらかじめ設計や手順を決めずに、自由に操作を行う手法です。
この方式は、開発者が意図しない使い方によって不具合を見つけることができるため、通常のテスト手法とは異なるアプローチを提供します。
モンキーテストとの関連
「モンキーテスト」は、開発者の意図を無視した操作を行うことを意味し、「猿に使わせてみたらどうなるか」という例えから名付けられました。
これはアドホックテストの一形態とも言え、無秩序な操作によって隠れた不具合を発見する目的があります。
アドホックテストの実施方法
自由な操作
アドホックテストでは、テスターが特定の手順や設計を考慮せず、自由に操作を行います。
これにより、普段の使用法では考えられない方法での不具合を見つける可能性が高まります。
ランダムテスト
アドホックテストの一つの実施方法として、完全にランダムな操作や入力を行う「ランダムテスト」があります。この方式では、テスターが意味的な繋がりのない入力を連続して行い、予測不可能な結果を得ることを目的とします。
注意点
アドホックテストで発見される不具合は、再現性が低い場合が多いため、手順の記録や観察は慎重に行う必要があります。
特に、開発側の人間が通常の利用法では行わない操作(例えば、ボタンを連打するなど)を行う場合は、テストの目的を明確にし、計画的に実施することが重要です。
アドホックテストの利点と課題
利点
- 隠れた不具合の発見: 予期しない使い方によって、不具合を見つけやすくなります。
- ユーザビリティの向上: 実際のユーザーが行うであろう操作を模倣することで、よりリアルなテスト環境が得られます。
課題
- 再現性の低さ: 不具合が発生しても、再現が難しい場合があります。
- 手順の不明確さ: テスト手法が明確でないため、結果の分析が難しいことがあります。
まとめ
アドホックテストは、自由な操作によって隠れた不具合を発見するための有力な手法です。
特に、モンキーテストとの関連性から、開発者の意図を無視したテストが行われることで、実際のユーザーが直面する問題を見つけることが可能となります。
ただし、再現性や手順の不明確さには注意が必要であり、慎重な実施が求められます。
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