インターネットプロトコル(IP)は、異なる通信ネットワークを接続し、データを中継・伝送するための基本的な通信規約です。
この技術により、私たちは日々利用するインターネットが実現されています。
本記事では、IPの基本概念、IPアドレスの仕組み、そして最新のIPv6について詳しく解説します。
インターネットプロトコルの基本
IPとは?
インターネットプロトコル(IP)は、複数のネットワークを相互接続し、データを一つの大きなネットワークとして扱うための通信規約です。
これにより、世界中のコンピュータが接続され、インターネットが成り立っています。
IPアドレス
IPでは、各ネットワークやホストに固有の識別番号であるIPアドレス(IP address)を割り当てます。
現在主流のIPv4(IP version 4)では、32ビットのアドレスが使用され、約42億台のデバイスが同じネットワークに接続可能です。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
インターネット上で使用されるグローバルIPアドレスは、管理団体が発行し、重複を避けるための申請プロセスがあります。
一方、プライベートIPアドレスは、組織内のネットワークで自由に使用できるアドレス空間が定められています。
これにより、LANなどの内部ネットワークで効率的に通信が行えます。
データ伝送の仕組み
IPデータグラム
IPでは、送受信するデータをIPデータグラム(IP datagram)という単位に分割します。
各データグラムには宛先や送信元のアドレスなどの制御情報が付加されます。
この伝送方式をパケット交換方式と呼び、データのペイロード部分には他の通信プロトコルのパケットが埋め込まれます。
TCPとUDPの役割
IPの上位層にはTCP(Transmission Control Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)と呼ばれるプロトコルがあります。
TCPは信頼性の高い通信を実現し、データの順序を管理したり、受信確認を行ったりします。
一方、UDPはこれらの制御を行わず、低遅延でのデータ伝送を可能にします。
ルーティングとルータ
ルータの役割
IPでは、異なる管理主体のネットワークが対等な立場で連携し、データを任意の送信元から宛先まで届ける仕組みが整っています。
このデータの中継・転送は、ルータ(router)と呼ばれる機器によって行われます。
ルータは、周囲の通信経路情報を交換し、最適な通信経路を選択します。
IPv4とIPv6の違い
IPv4の限界
現在広く利用されているIPv4は、32ビットのアドレスを使用していますが、インターネットの急速な拡大によりアドレスが逼迫しています。
このため、新しい規格であるIPv6(IP version 6)が策定されました。
IPv6の特長
IPv6では、128ビットのアドレスを使用し、約340兆兆個のアドレスを提供します。
これにより、セキュリティ機能や転送効率が改善されています。
ただし、IPv4との直接的な互換性はなく、経路途中のすべてのネットワークがIPv6に対応していなければならないため、インターネット上での本格的な普及はまだ進んでいません。
まとめ
インターネットプロトコル(IP)は、現代の通信ネットワークの基盤を支える重要な技術です。
IPアドレスの仕組みやデータ伝送の方法、さらにはIPv6の特長を理解することで、ネットワーク技術の深い理解が得られます。
インターネットの成長とともに、IPの役割はますます重要になっていくでしょう。
これを機に、IPについての知識を深めていきましょう。