コマンドライン引数とは？基本的な使い方と実例で解説

コマンドライン引数（コマンドラインひきすう）は、プログラムを実行する際にオプションや動作モードを指定したり、処理対象のデータを渡すために使われる重要な機能です。この記事では、コマンドライン引数の基本的な仕組みから、実際の使い方までを分かりやすく解説します。

1. コマンドライン引数とは？

コマンドライン引数は、ユーザーがプログラムを実行する際に追加情報を渡すための仕組みです。例えば、以下のように使われます。

python script.py --input data.txt --output result.csv

この例では、--input と --output がコマンドライン引数で、それぞれ data.txt と result.csv という値を指定しています。

2. コマンドライン引数の基本的な形式

コマンドライン引数は、一般的に以下のように記述されます。

     ・プログラム名の後にスペースを挟んで指定

       command arg1 arg2 arg3

     ・複数の引数を指定する場合

   gcc -o program main.c utils.c

この例では、-o program がコンパイラへのオプションで、main.c と utils.c が処理対象のファイルです。

3. 主要OSでのコマンドライン引数の違い

コマンドライン引数の指定方法は、OSによって異なる場合があります。

（1）Unix/Linux/macOS（ハイフンを使う）

ls -l
grep -i "search_term" file.txt

• -l や -i のように、ハイフン (-) に続けてオプションを指定します。

（2）Windows（スラッシュを使う）

dir /w
copy /y source.txt destination.txt

• Windowsでは、スラッシュ (/) でオプションを指定するのが一般的です。

（3）移植されたコマンドの例

• grep がWindows（PowerShellやWSL）で使われる場合、-i のようにUnix形式のオプションがそのまま使われます。

4. プログラミング言語ごとのコマンドライン引数の取得方法

プログラム内でコマンドライン引数を利用する場合、言語ごとに異なる方法で取得します。

（1）Pythonの場合

import sys

# コマンドライン引数を取得
args = sys.argv
print("引数一覧:", args)

実行例:

python script.py arg1 arg2

出力:

引数一覧: ['script.py', 'arg1', 'arg2']

（2）C言語の場合

#include <stdio.h>

int main(int argc, char *argv[]) {
    printf("引数の数: %d\n", argc);
    for (int i = 0; i < argc; i++) {
        printf("引数 %d: %s\n", i, argv[i]);
    }
    return 0;
}

実行例:

./program arg1 arg2

出力:

引数の数: 3
引数 0: ./program
引数 1: arg1
引数 2: arg2

（3）JavaScript（Node.js）の場合

const args = process.argv;
console.log("引数一覧:", args);

実行例: bash

node script.js arg1 arg2

出力: 引数一覧: [‘/path/to/node’, ‘/path/to/script.js’, ‘arg1’, ‘arg2’]

5. コマンドライン引数の活用例

（1）ファイル処理ツール

python convert.py --input data.csv --output result.json --format json

• --input で入力ファイル、--output で出力ファイル、--format で出力形式を指定。

（2）サーバー起動オプション

node server.js --port 3000 --debug

• --port でポート番号、--debug でデバッグモードを有効化。

（3）バッチ処理の自動化

bash backup.sh /path/to/source /path/to/destination --compress

• バックアップスクリプトでソースと保存先を指定し、--compress で圧縮オプションを適用。

6. まとめ

コマンドライン引数は、プログラムの動作を柔軟に制御するための強力な機能です。OSやプログラミング言語によって形式が異なる場合がありますが、基本的な使い方を理解すれば、効率的な自動化やスクリプト作成が可能になります。ぜひ実際に試してみて、コマンドライン操作の効率化に役立ててください！