タイトル: 相互作用図とは?シーケンス図とコラボレーション図の違いと活用方法

相互作用図(interaction diagram)は、ソフトウェア設計において重要な役割を果たすUML(統一モデリング言語)のダイアグラムの一つです。

この図は、複数のオブジェクト間の相互作用を視覚的に表現し、特にメッセージのやり取りに焦点を当てています。

本記事では、相互作用図の種類であるシーケンス図とコラボレーション図について詳しく解説し、それぞれの特長と活用方法を紹介します。

タイトル: 相互作用図

相互作用図の基本概念

相互作用図とは?

**相互作用図(interaction diagram)**は、UML(Unified Modeling Language)の一部で、複数のオブジェクト間の相互作用を時系列で示すための図です。

この図では、オブジェクト間でやり取りされるメッセージの流れを視覚的に表現することで、システム全体の動作を理解しやすくします。

相互作用図は、システム設計やアーキテクチャを視覚化し、プログラムのフローを明確にするために使用されます。

相互作用図には、主に以下の2つの種類があります:

  1. シーケンス図(Sequence Diagram)
  2. コラボレーション図(Collaboration Diagram)

これらは、異なる視点で相互作用を捉え、それぞれ異なる方法でメッセージのやり取りを表現します。

シーケンス図(Sequence Diagram)の詳細

シーケンス図の概要

シーケンス図は、相互作用図の一種で、時系列に基づいてオブジェクト間のメッセージ交換を表現します。

この図では、各オブジェクトを水平方向に並べ、時間軸は垂直方向に設定します。

オブジェクト間でメッセージがやり取りされるタイミングを、矢印で示し、メッセージの送受信が行われた順番を直感的に理解できるように設計されています。

シーケンス図の構成要素

  1. オブジェクトの配置:オブジェクトは横に並べられ、四角いボックスで表現されます。各オブジェクトの下には、そのオブジェクトの時間軸が示されます。
  2. メッセージのやり取り:メッセージは矢印で表現され、矢印は送信元オブジェクトから送信先オブジェクトに向かって描かれます。矢印の交点がメッセージの送受信時刻を示します。
  3. 時間軸:シーケンス図は、メッセージが送信される順番とタイミングを正確に把握するために、時間軸に沿ってオブジェクト間のやり取りを表現します。

シーケンス図の活用例

シーケンス図は、システムの動作を時系列で追跡するのに非常に有効です。

例えば、オンラインショッピングのシステムで、ユーザーが商品をカートに追加し、支払い手続きを行うプロセスをシーケンス図で表すことができます。

この図を使うことで、システム内の各オブジェクトがどのように相互作用し、メッセージをやり取りするかを理解できます。

コラボレーション図(Collaboration Diagram)の詳細

コラボレーション図の概要

コラボレーション図は、シーケンス図とは異なり、オブジェクト間の関連協調関係に焦点を当てた図です。

コラボレーション図では、オブジェクト同士を結ぶ直線で関連を示し、その間で行われるメッセージのやり取りを矢印で表現します。

時系列は矢印に番号をつけて示すため、メッセージの送受信順序を把握することができます。

コラボレーション図の構成要素

  1. オブジェクト間の関連:コラボレーション図では、オブジェクト間の関連を直線で示し、オブジェクト同士がどのように協力しているかを視覚化します。
  2. メッセージのやり取り:メッセージのやり取りは矢印で表され、メッセージには順番を示す番号がつけられます。これにより、メッセージの順序がわかります。
  3. オブジェクトの番号付け:各オブジェクトには一意の番号が付けられ、メッセージのやり取りがどのオブジェクト間で行われているかを明示します。

コラボレーション図の活用例

コラボレーション図は、オブジェクト間の協力関係に焦点を当てるため、特にオブジェクト間の関係性を理解したい場合に有効です。

例えば、銀行のシステムにおける顧客、口座、支払い処理などのオブジェクト間の協力関係を表すために使用することができます。

この図を使うことで、各オブジェクトがどのように相互作用しているか、そしてその順序を確認することができます。

シーケンス図とコラボレーション図の違い

シーケンス図 vs コラボレーション図

  • シーケンス図は、メッセージの順番とタイミングに焦点を当て、時系列に従ってオブジェクト間のメッセージの流れを追います。
  • コラボレーション図は、オブジェクト間の関係に焦点を当て、どのオブジェクトがどのように協力し合っているかを示します。メッセージの順番は番号で表現され、関連性が強調されます。

両者は異なる視点からシステムの動作を捉えますが、どちらもソフトウェア設計やシステムアーキテクチャの理解に欠かせないツールです。

まとめ

相互作用図(interaction diagram)は、UMLにおける重要な図の一つであり、システム内のオブジェクト間の相互作用を可視化するために使用されます。

特に、シーケンス図とコラボレーション図は、異なる視点でシステムの動作を表現し、開発者がシステムのフローやオブジェクト間の関係を理解する手助けをします。

シーケンス図は時系列に基づいてメッセージの流れを追い、コラボレーション図はオブジェクト間の協力関係を強調します。

どちらの図も、システム設計において非常に有用なツールとなります。

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