データリンク層とは?ITにおける役割とプロトコルの深掘り

データリンク層(data link layer)は、ネットワーク通信の基盤を形成する重要な層です。

本記事では、データリンク層の定義、その役割、関連するプロトコルについて詳しく解説します。

この層を理解することは、ネットワーク技術の根幹を知り、IT業界での実践的なスキルを高めるために不可欠です。

 

データリンク層の基本

データリンク層の定義

データリンク層は、OSI参照モデルの第2層に位置し、物理的に接続された二台の機器間でデータを受け渡す役割を担っています。

この層は、イーサネットやWi-Fiなどのプロトコルを使用して、信号の送受信を行います。

データリンク層(data link layer)

プロトコルの重要性

通信規約を「プロトコル」と呼びます。

データリンク層のプロトコルは、通信相手の識別、信号の衝突検知、誤り検知・訂正など、データの正確な伝送を保証するための手順や形式を定めています。

例えば、イーサネットは有線LANの標準プロトコルとして広く利用されており、信頼性の高いデータ伝送を実現します。

 

データリンク層の役割

主な機能

データリンク層は、上位のプロトコルから受け取ったデータを、信号として直接接続された機器に確実に伝送することが主な役割です。

具体的には、以下のような機能があります:

  • 通信相手の識別: 送信先の機器を正確に特定します。
  • 衝突の検知・回避: 複数の機器が同時にデータを送信しないように制御します。
  • データの分割・組み立て: 送信するデータをフレーム単位に分割し、受信後に元の形に再構築します。
  • 誤り検知・訂正: 伝送中に発生するエラーを検出し、必要に応じて訂正します。

 

プロトコルの例

データリンク層における主要なプロトコルには、次のようなものがあります:

  • イーサネット(Ethernet): 有線LANの標準で、IEEE 802.3に基づく仕様です。
  • Wi-Fi: 無線LANの標準で、IEEE 802.11に基づく仕様です。
  • PPP(Point-to-Point Protocol): 二地点間の接続を確立するためのプロトコルで、インターネット接続などで広く利用されています。

 

TCP/IPモデルとOSIモデルの違い

層の位置付け

TCP/IPモデルはOSIモデルとは異なり、データリンク層は最下層として位置付けられています。

OSIモデルでは第2層であり、物理層との関連性が強いのですが、TCP/IPモデルでは物理的機能を含む広義の概念として扱われます。

このため、同じデータリンク層でも、両者での理解は異なる場合があります。

 

L2スイッチとレイヤー2

データリンク層に関連する機器として、L2スイッチ(レイヤー2スイッチ)が挙げられます。

これは、イーサネットフレームを基にした中継を行うスイッチで、効率的なデータ転送を実現します。

 

MAC副層とLLC副層

IEEE 802規格

IEEE 802規格群では、データリンク層を「MAC副層」(Media Access Control)と「LLC副層」(Logical Link Control)に分けています。

MACは物理層の特性に応じた最適な通信手段を提供し、LLCはこれらの違いを吸収して、ネットワーク層に対して統一的なアクセスを可能にします。

 

まとめ

本記事では、データリンク層の定義、役割、主要なプロトコル、TCP/IPモデルとの違いについて解説しました。

データリンク層はネットワーク通信において不可欠な要素であり、その機能を理解することは、IT技術者にとって必須の知識です。

データリンク層の理解を深めることで、今後のネットワーク技術の発展に貢献できるでしょう。

 

さらに参照してください:

データレイクとは?ビッグデータ時代の新たなデータ管理手法

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By jisho5