ネットワークループ(switching loop)は、LANなどの構内ネットワークで発生する重大な問題です。
この状態になると、通信が不能になり、ネットワーク全体が麻痺してしまいます。
本記事では、ネットワークループの定義、原因、影響、そしてその防止策について詳しく解説します。
ネットワークループとは?
ネットワークループの定義
ネットワークループは、配線が装置間で環状になっている状態を指します。
このループにより、信号が無限に循環し続け、通信不能に陥ります。
例えば、1台のネットワークスイッチの2つのポート間を直結する場合や、2台のスイッチを2本のケーブルで繋ぐことで、データが高速で循環してしまいます。
ループの影響
このような状態になると、周回する信号が回線の帯域を占有し、正常な通信が行えなくなります。
特に企業や組織のネットワークでは、業務に大きな影響を与える可能性があります。
ネットワークループの防止策
配線時の注意
配線を行う際には、ループが生じないよう十分な注意が必要です。
適切な設計と配線管理を行うことで、リスクを大幅に減少させることができます。
自動検知機能
多くの機器には、ループの発生を自動的に検知して一時的に通信を遮断する機能があります。
この機能を利用することで、ネットワークの安定性を向上させることができます。
スパニングツリー(STP)の導入
3台以上のスイッチを用いてネットワークを構築する場合、耐障害性を高めるためにスイッチを網状に接続することが一般的です。
この際、スパニングツリー(STP:Spanning Tree Protocol)などの技術を用いて循環的な経路が生じないよう制御します。
STPにより、ネットワークは木構造になり、ループを防ぐことができます。
ネットワークループとルーティングループの違い
一般的に「ネットワークループ」と言う場合、物理的な経路が環状になっている状態を指します。
一方で、IPネットワーク上の論理的な転送経路が円環状になる状態は「ルーティングループ」と呼ばれますが、これも広義のネットワークループとして扱われることがあります。
まとめ
ネットワークループは、LANなどのネットワークにおいて発生する深刻な問題であり、その影響は業務に直結します。
適切な配線と機器の設定、さらにはスパニングツリーなどの技術を活用することで、ネットワークの信頼性を高めることが可能です。
ネットワークループを防止するための対策を講じることは、効率的で安定したネットワーク運用にとって欠かせない要素です。
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