ノイマン型コンピュータ(von Neumann architecture)は、現代のほとんどのコンピュータが採用している基本的なアーキテクチャです。
この方式は、プログラムをデータとして記憶装置に格納し、順番に読み込んで実行する仕組みを持っています。
本記事では、ノイマン型コンピュータの特徴、進化、そしてフォンノイマンボトルネックの問題について詳しく解説します。
ノイマン型コンピュータの基本概念
ノイマン型コンピュータとは?
ノイマン型コンピュータは、アメリカの数学者ジョン・フォン・ノイマンの名に由来するコンピュータアーキテクチャです。
この方式は、計算手順や入力データをプログラムとして記憶し、プロセッサがそれを順次実行する構造を持っています。
歴史的背景
ノイマン型コンピュータは、第二次世界大戦前後に登場した最初期の電子式コンピュータの制限を克服するために開発されました。
初期のコンピュータは、真空管の配列によって計算内容を直接反映しており、汎用性が乏しかったため、計算内容を変更する際には配線をやり直さなければなりませんでした。
EDVACとプログラム内蔵方式
ノイマンは新型コンピュータ「EDVAC」の開発チームに関与し、データを外部から与え、汎用回路で処理する方式を提案しました。
この時にソフトウェアの概念も生まれ、ノイマン型コンピュータの基本が確立されました。
フォンノイマンボトルネック
ボトルネックとは?
フォンノイマンボトルネックとは、演算装置(CPU)と主記憶装置(メインメモリ)間のデータ伝送路(バス)が性能の制約要因となる現象です。
このボトルネックは、CPUの処理速度が主記憶からのデータ読み込み速度に依存するため発生します。
ボトルネックの影響
ノイマン型コンピュータでは、次の命令を実行するために必ず主記憶から読み込む必要があります。
このため、CPUの性能向上が読み込み速度に追いつかない場合、待機時間が増加し、全体の性能が低下する可能性があります。
現代の解決策
現代のコンピュータでは、ボトルネックを緩和するためにキャッシュメモリが導入されています。
CPU内部に少容量の高速キャッシュを持たせ、階層的に(1次キャッシュ、2次キャッシュ、3次キャッシュ)配置することで、頻繁に使用されるデータを迅速にアクセスできるようにしています。
まとめ
ノイマン型コンピュータは、プログラムをデータとして扱うことで汎用性を持たせたコンピュータアーキテクチャです。
フォンノイマンボトルネックの存在が性能に影響を与える一方で、キャッシュメモリの導入によりこの問題が解決されています。
このアーキテクチャを理解することは、コンピュータの設計や運用において重要な知識です。
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