パブリックIPアドレスとは?インターネット通信の要をわかりやすく解説【ITインフラ基礎】

パブリックIPアドレス(またはグローバルIPアドレス)は、インターネットに接続する上で欠かせないネットワーク識別子です。

Webサイトを閲覧したり、クラウドサービスを利用したり、メールを送受信したりする際、すべての通信にはこのパブリックIPアドレスが関係しています。

この記事では、ITインフラやネットワーク設計に関わる方に向けて、パブリックIPアドレスの仕組み・管理体制・プライベートアドレスとの違い・現代的な活用方法まで、実務に役立つ知識をわかりやすく解説します。

パブリックIPアドレスとは?

パブリックIPアドレスの定義と役割

パブリックIPアドレス(Public IP Address)とは、インターネット上で唯一無二の存在として識別され、全世界からアクセス可能なIPアドレスのことを指します。

これにより、インターネット上の他の機器やサーバーが該当端末に接続できるようになります。

例:あなたが自宅でWebサイトを開いたとき、そのアクセス元を示すのがこのパブリックIPアドレスです。

パブリックアドレスの発行と管理機関

パブリックIPアドレスは勝手に利用できるものではなく、世界規模の管理体制のもとで一元的に割り当てられています。

グローバル管理機関の構造

  • ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)
    → 全体統括機関。

              ドメイン名やIPアドレス資源を管理。

  • IANA(Internet Assigned Numbers Authority)
    → IPアドレスの技術的管理を担当。

  • RIR(Regional Internet Registry)
    → 地域ごとの分配担当(例:APNIC、ARIN、RIPE NCCなど)

  • JPNIC(Japan Network Information Center)
    → 日本国内におけるIPアドレス割当を担当

日本のパブリックIPの流れ

ICANN → IANA → APNIC(アジア太平洋)→ JPNIC(日本)→ ISP(インターネットプロバイダ)→ ユーザー

ユーザーがISPと契約すると、ISPが保有するパブリックIPアドレスから動的または静的に1つが割り当てられます。

ローカルIPアドレス(プライベートアドレス)との違い

ローカルIPアドレスの特徴

ローカルIPアドレス(プライベートIPアドレス)は、企業内LANや家庭内ネットワークなど、閉じた範囲内でのみ使用されるIPアドレスです。

これらはインターネットに直接アクセスできず、以下のような用途で使われます:

  • 家庭用ルーターがPCやスマホに割り当てるIP

  • 社内ネットワーク上のサーバーやプリンタの識別

  • NAT(Network Address Translation)による外部アクセスの中継

プライベートアドレスの範囲(IPv4)

  • 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255

  • 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255

  • 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255

このような範囲はインターネット上では使用されず、ネットワーク内で自由に利用可能です。

パブリックIPの活用例と注意点

実務での利用シーン

  • Webサーバーやメールサーバーを社外からアクセス可能にする

  • リモートデスクトップ接続やVPNで自宅から社内ネットワークへアクセス

  • IoT機器や監視カメラのインターネット公開

固定IP vs 動的IP

 

固定IPアドレスは、リモートアクセスやサーバ公開に便利ですが、コストが高くなることがあります。

IPv4とIPv6の観点から見るパブリックアドレスの現状

IPv4枯渇とIPv6移行

現在主に使われているIPv4アドレスは、32ビットの仕様により約42億個しか存在しません。

そのため、アドレスの枯渇が深刻化しています。

これに対して、IPv6は128ビット構成でほぼ無限に近いアドレスを提供可能です。

多くの新規サービスやIoTデバイスはIPv6のパブリックアドレスを活用しつつあります。

まとめ

パブリックIPアドレスは、インターネット通信を実現するための鍵となる技術であり、その正しい理解は、ネットワーク設計やセキュリティ、クラウドインフラ構築において非常に重要です。

本記事のポイントまとめ:

  • パブリックIPアドレスは、インターネット上で一意に識別可能なアドレス

  • 世界的な管理機関により厳密に割り当て・管理されている

  • ローカルIPアドレスと使い分けることで、ネットワークの効率性と安全性を両立

  • 固定IPの活用やIPv6移行など、実務に役立つ知識も押さえておくと◎

さらに参考してください:

パブリックDNSとは?仕組み・設定方法・おすすめサーバーを徹底解説

Rate this post
Visited 1 times, 1 visit(s) today