ビットマップ画像(bitmap image)とは、ピクセル(画素)単位で色情報を記録するラスタ形式の画像表現です。
Web開発、グラフィック処理、画像圧縮、印刷処理など、さまざまなITシーンで利用されるこの技術は、画像をピクセル単位で表現するという明快な仕組みを持っています。
本記事では、ビットマップ画像の定義・構造・主なファイル形式・色情報の扱い方・ベクター画像との違いなどについて、実例とともにわかりやすく解説します。
ビットマップ画像とは?
ピクセルで構成されるラスタ形式
ビットマップ画像は、画像全体を小さな色付きの点(ピクセル)で構成するデータ形式です。
ピクセルは行列状に並べられ、縦横の解像度と色情報によって画像が構築されます。
表示デバイス(モニター、プリンター)ではビットマップ形式が標準的であるため、ほとんどの画像処理システムがこの形式を基盤としています。
主なビットマップ画像形式と用途
以下はよく使われるファイル形式とそれぞれの特徴です。
ビットマップ画像の技術的構造
解像度と画素数の関係
画像は「幅 × 高さ」のピクセル数で構成されており、総ピクセル数 = 横方向ピクセル × 縦方向ピクセルです。
たとえば:
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1024×768 ピクセル → 総画素数:786,432 ピクセル
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1920×1080(フルHD)→ 約207万ピクセル
ファイルサイズは、このピクセル数と色深度(後述)に応じて決まります。
色深度(Color Depth)とbppの関係
各ピクセルが持つ色情報のビット数を色深度(color depth)またはbpp(bits per pixel)といいます。
bppが高いほど多くの色を表現できます。
RGBとインデックスカラーの違い
RGB方式(24bpp/32bpp)
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各ピクセルがRed・Green・Blueの3成分を8ビットずつ持ち、フルカラーを表現。
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透明度(アルファチャンネル)を加えた32bpp形式もあり、画像編集やUI合成で多用される。
インデックスカラー方式(主に8bpp)
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ピクセルの値は色番号(インデックス)であり、実際のRGB値はカラーパレットで別途定義。
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メモリ効率が高く、256色以内に限定した環境(GIFや一部ゲーム画像など)で利用される。
透過表現とアルファチャンネル
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32bpp形式では、ピクセルごとに透明度(0~255)を設定できるアルファチャンネルを持つ。
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背景との合成や、レイヤー処理、UI要素の重ね合わせに利用される。
ビットマップ画像とベクター画像の違い
ベクター画像とは?
ベクター画像(ベクトルグラフィックス)は、点・線・面などの図形を数式や座標で定義する形式です。
代表例はSVG、PDF、AIファイルなど。
主な違いまとめ
ラスタライズ処理とは?
ベクター画像をプリンターやディスプレイで表示する際には、最終的にビットマップ画像に変換(ラスタライズ)されます。
これにより、高精度での出力が可能になります。
まとめ
ビットマップ画像(bitmap image)は、IT分野で基本かつ重要な画像形式であり、以下のような特徴を持っています。
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ピクセル単位で色情報を保持するラスタ画像形式
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色深度(bpp)によって表現可能な色数が変化
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ファイル形式にはBMP・PNG・JPEGなどが存在
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ベクター画像と比較して編集や拡大縮小に弱いが、写真や精細な画像には最適
画像処理、Webデザイン、アプリ開発、ゲームグラフィックスなど幅広い分野で活用されているため、ビットマップ画像の構造と特性を理解することは、IT技術者にとって不可欠です。