ブリッジモード(Bridge Mode)とは?機能・用途・ルータモードとの違いを徹底解説

ブリッジモード(Bridge Mode)は、ネットワーク機器の設定において重要なモードのひとつです。

特に複数のルータを使用するネットワーク構成では、IPアドレスの競合や通信障害を防ぐために不可欠な知識となります。

この記事では、ブリッジモードの仕組みや特徴、ルータモードとの違い、適切な活用シーンについてIT視点でわかりやすく解説します。

初心者の方からインフラ設計を行うエンジニアまで、幅広く参考になる内容です。

ブリッジモードとは何か?

ブリッジモードの基本概念

ブリッジモードとは、ネットワーク機器、特にルータやWi-Fiルータに搭載されている動作モードの一つで、ルーティング機能を無効化し、ネットワーク間の中継(ブリッジ)機能だけを有効にするモードです。

通常のルータは、以下の2つの機能を備えています:

  • ルータ機能:異なるネットワーク(例:家庭内LAN ⇔ インターネット)間の中継

  • ブリッジ機能:同一ネットワーク内の機器間の通信を中継(スイッチ・ハブと同様)

ブリッジモードに設定すると、前者のルーティング機能をオフにし、後者の単なる信号中継装置としてのみ動作します。

ブリッジモードの実際の用途と利点

ブリッジモードの使用場面

外部にルータが存在する場合

企業や家庭内に既にルータ(例:プロバイダから提供されたブロードバンドルータ)が存在する場合、Wi-Fiルータをそのままルータモードで接続すると、二重ルータ(Double NAT)状態になってしまいます。

この状態では、ポート開放や一部の通信が正常に動作しなくなるリスクがあるため、Wi-Fiルータをブリッジモードに変更することで回避できます。

アクセスポイントとしての利用

Wi-Fiルータをアクセスポイント(AP)として使用したい場合も、ブリッジモードが推奨されます。

このモードでは、親ルータからDHCPやNATなどの処理をすべて委ね、無線接続を中継するだけのシンプルなネットワーク機器として働きます。

利点とデメリット

利点:

  • ネットワーク構成の安定性向上

  • 設定がシンプルで導入が容易

  • DHCPサーバの競合を防止

  • ポートフォワーディングなど高度なルーティング設定が親ルータに集約可能

デメリット:

  • ルータとしての機能(NAT, PPPoE認証, DHCPサーバ等)が使用不可

  • 一部の機能が使えないモデルも存在(例:ウイルス対策機能など)

ルータモードとの違いを明確に理解する

ルータモードとは?

ルータモード(Router Mode)は、ネットワーク機器がインターネット接続の中継やIPアドレスの割り当て(DHCP)、NAT変換などを行うモードです。

一般的に、インターネット接続にルータを直接使用する場合にはこのモードが必要です。

ブリッジモードとの比較表

ブリッジモードの設定方法(一般的な手順)

  1. ルータの管理画面にログイン(例:192.168.1.1)

  2. 「動作モード」または「ルータモード設定」からブリッジモード(BRモード)を選択

  3. 設定を保存して再起動

  4. LANポートを既存ルータに接続し、必要に応じてSSIDやパスワードを再設定

⚠️ 注意点:一部機種ではブリッジモード中にルータ管理画面へアクセスできなくなる場合があります。事前にIPアドレスをメモしておくと安心です。

IT視点で見るブリッジモードの活用ポイント

  • 中規模オフィスのWi-Fi拡張:アクセスポイントとしての設置に最適

  • IoTデバイスとの接続安定性確保:ルーティング不要のネットワークが好ましい場合

  • ネットワーク分離対策:セグメント構成によるセキュリティ管理にも応用可能

まとめ

ブリッジモード(Bridge Mode)は、ネットワーク設計や家庭内LANの構築において不可欠な概念です。

ルータのルーティング機能をオフにし、単なる中継装置として動作させることで、ネットワークのシンプル化と安定性向上を実現できます。

以下のポイントを押さえておきましょう:

  • ブリッジモードはルータ機能を無効化し、中継専用として動作

  • ルータモードとの併用はトラブルの元。構成に応じた切り替えが重要

  • アクセスポイント構成や二重ルータ回避に最適

  • ネットワーク環境の拡張やトラブル防止において、非常に実用的な技術

ネットワーク構成に柔軟性を持たせるためにも、ブリッジモードの理解と正しい運用が求められます。

さらに参考してください:

ハブアンドスポーク(Hub and Spoke)とは?IT・ネットワーク分野での構造とその活用法

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