**内部割り込み(internal interrupt)**は、プログラムの実行中に自ら発生させる割り込みであり、**ソフトウェア割り込み(software interrupt)**とも呼ばれます。
システムの安定性やセキュリティ、パフォーマンス向上に関わる重要な仕組みであり、ITエンジニアにとって理解必須の基礎知識です。
この記事では、内部割り込みの概念、発生する仕組み、実際の用途や活用例をわかりやすく解説します。
内部割り込みとは?
内部割り込みの定義
内部割り込みとは、実行中のプログラムが自らの動作によって割り込みを発生させ、CPUの制御を強制的に中断・切り替える処理です。
この割り込みは、主にソフトウェアレベルでのエラーや例外処理、またはOS機能の呼び出しに関連して発生します。
ソフトウェア割り込みとの関係
ソフトウェア割り込みという言葉は、ハードウェアによる**外部割り込み(external interrupt)**に対して使われる言い方で、内部割り込みとほぼ同義です。
例えば、ゼロ除算や不正メモリアクセスなど、実行中のコードによる異常が発生すると、これを処理するためにソフトウェア割り込みが起こります。
内部割り込みが発生する代表的なケース
1. 例外処理(Exception)
最も典型的なのが**例外(exception)**の発生です。以下のような状況で内部割り込みが発生します:
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ゼロによる除算
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アクセス禁止領域へのメモリ書き込み
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スタックオーバーフロー
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不正な命令の実行
例:C言語で以下のようなコードが実行された場合、内部割り込みが発生します。
2. OS機能の呼び出し(SVC割り込み)
オペレーティングシステムの機能を利用するために、意図的に割り込みを発生させる場合もあります。
これをSVC(Supervisor Call)割り込みと呼びます。
アプリケーションがカーネルモードへ制御を移すために使われます。
例:Linuxカーネルでは int 0x80
命令を使ってシステムコールを実行するのがこれに相当します。
内部割り込みと外部割り込みの違い
ITシステムの設計・開発では、内部割り込みと外部割り込みの適切な処理が、信頼性と効率性を左右する重要なポイントです。
実際の活用シーンと重要性
システムの安全性を確保
内部割り込みは、予期しない動作やエラーを即時に検出し、OSやハンドラが適切に対応するために重要です。
たとえば、メモリ保護違反を検知することで、マルウェアの侵入やクラッシュを防止できます。
リアルタイムOSや組込み系システムでの利用
リアルタイムOS(RTOS)では、割り込みの応答時間が極めて重要です。
内部割り込みをうまく設計することで、異常発生時でも処理が止まらず、安定した動作が保証されます。
デバッガや仮想マシンでの割り込み制御
仮想化技術においては、内部割り込みをエミュレートすることにより、仮想環境内での例外処理やシステムコールを実現しています。
開発ツールやエミュレータでは欠かせない概念です。
まとめ
内部割り込み(internal interrupt)、またの名をソフトウェア割り込みは、プログラム実行中に発生する例外や意図的な処理要求に対して、CPUが割り込み処理を実行する重要な仕組みです。
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ゼロ除算やメモリ保護違反などによる例外に対応
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OSへのアクセスに使われるSVC割り込み
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外部割り込みとは異なり、プログラム自身が原因で発生
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システムの安定性やセキュリティに直結
ITエンジニアとしてシステム開発に関わるなら、内部割り込みの理解は不可欠です。
今後の開発やデバッグ作業において、この知識が必ず役立つでしょう。