走査線とは?テレビとディスプレイの画面表現技術

走査線(scan line)は、テレビやディスプレイの表示装置における水平方向の線であり、映像信号がどのように画面上に色情報を並べるかを決定づける重要な要素です。

この技術は、映像の品質や表示方法に直接影響を与えるため、理解することが不可欠です。

本記事では、走査線の基本概念、種類、及びその実際の利用について詳しく解説します。

走査線の基本概念

走査線とは?

走査線とは、表示装置の画面を水平方向に分割した線のことを指します。

映像信号は、画面の上から下まで一本ずつ走査線に沿って色情報を配置しており、これにより画像が表示されます。

表示装置の動作

一般的な表示装置では、画面全体を上下に数百から数千の走査線に分割し、それぞれの線に沿って情報を描画します。

具体的には、最上部の走査線から左から右に各画素を発光させ、その後、次の走査線に移動し、同様の手順を繰り返します。

全ての走査線が描画された後、上に戻り再び走査を開始します。

走査方式の種類

プログレッシブスキャン

「プログレッシブスキャン」は、すべての走査線を上から順に描画する方式です。

この方式では、全ての画素が一度に表示されるため、動きの速い映像でも滑らかに見えるのが特徴です。

インターレーススキャン

「インターレーススキャン」は、奇数本目と偶数本目の走査線を交互に描画する方式です。

この方法では、2回縦に走査するたびに画面全体が書き換わります。

インターレース方式は、データ量を削減しつつも、視覚的にスムーズな映像を提供するために多く使用されています。

水平および垂直走査周波数

走査線

水平走査周波数

毎秒間に描画する走査線の数は「水平走査周波数」と呼ばれ、通常はHz(ヘルツ)で表記されます。

この周波数は、1秒間に描画される全走査線数を示します。

垂直走査周波数

「垂直走査周波数」は、走査線を上から下まで描画する回数を表します。

順次走査の場合、垂直走査周波数は走査線の数を掛けたものとなりますが、インターレース走査の場合はその半分になります。

具体例

例えば、解像度が1920×1080ピクセルの表示装置の場合、走査線は1080本あります。

順次走査で毎秒60回画面を書き換える場合、垂直走査周波数は60Hzとなり、水平走査周波数は60×1080=64.8kHz(毎秒64,800本の走査線が描画)となります。

まとめ

走査線は、テレビやディスプレイにおける映像表示の基盤となる技術です。

プログレッシブスキャンとインターレーススキャンの違いや、水平および垂直走査周波数の理解は、映像の質を向上させるために不可欠です。

この知識を基に、より良い視覚体験を追求していきましょう。

Rate this post
Visited 1 times, 1 visit(s) today