**プロトコル（protocol）**とは、IT分野において、データや信号を円滑に伝送するために定められた手続きや約束事を指します。
本記事では、通信プロトコルの定義、種類、階層構造について詳しく解説します。
プロトコルの理解は、コンピュータネットワークや通信システムの基本を把握するために不可欠です。
通信プロトコルの基本
プロトコルとは？
プロトコルは、一般的に手順や合意を指しますが、ITの文脈では、異なるシステムや機器が信号やデータを互いに伝達するための規定された手順を指します。
例えば、英語話者と日本語話者が直接コミュニケーションを取れないように、異なるプロトコルを使用するシステム同士ではデータのやり取りができません。
プロトコルの種類
- クローズドプロトコル：特定の企業が独自に開発した仕様で、自社製品のみに適用されるプロトコルです。
- オープンプロトコル：業界団体や標準化機関が策定し、広く公開されたプロトコルで、異なる開発者間での相互運用が可能です。
例えば、インターネットで広く使用されるTCP/IPプロトコルは、IETF（Internet Engineering Task Force）によって標準化されています。
プロトコルの階層化
階層構造の意義
コンピュータ通信においては、プロトコルを複数の階層に分けて考えることが重要です。
これは、プロトコルの役割を明確にし、上位のプロトコルが下位のプロトコルの具体的な動作を意識せずに通信を行えるようにするためです。
たとえば、電話をかける際、受話器の使い方さえ知っていれば、内部の通信システムがどのように機能しているかを知らなくても会話ができます。
TCP/IP階層モデル
現在、最も広く使用されているプロトコルのモデルはTCP/IP階層モデル（DARPAモデル）です。
このモデルは、以下の4つの階層から構成されています。
- リンク層：物理的な装置や伝送媒体に近い層で、データのフレーム化やエラー検出を担当します。
- インターネット層：データパケットのルーティングや送信先のアドレス指定を行う層です。
- トランスポート層：データの送受信の確実性を保証するための制御を行います。
- アプリケーション層：ユーザーが直接関与するプロトコルで、HTTPやFTPなど、特定のアプリケーションのための通信を提供します。
まとめ
通信プロトコルは、データ通信の基盤を支える重要な要素であり、異なる機器やソフトウェアが円滑に情報を交換するために不可欠です。
プロトコルの階層化によって、複雑な通信をシンプルにし、ユーザーは操作に集中できるようになります。
IT業界におけるプロトコルの理解は、今後の技術進化においてますます重要になるでしょう。