非キー属性とは何か?データベース設計で見逃せない基礎知識

リレーショナルデータベースの設計において、非キー属性(non-key attribute)は、パフォーマンスや正規化の観点からも重要な概念です。

本記事では、非キー属性とは何かを明確に解説し、候補キーや主キーとの違い、さらには設計上の考慮点まで詳しくご紹介します。

これからRDBの設計を学ぶ方、もしくは設計を見直したい方にとって、必見の内容です。

非キー属性とは?

非キー属性の定義

非キー属性とは、リレーショナルデータベース(RDB)のテーブルにおいて、候補キー(candidate key)に含まれない属性(列)のことを指します。
これらの属性は、単体でも複数列と組み合わせても、レコードを一意に識別するためのキーにはならないものです。

キー属性との違い

データベースにおける「キー」とは、テーブル内の各行(レコード)を一意に識別できる列、または列の組み合わせのことです。

主なキーの種類を以下に整理します。

候補キー(Candidate Key)

  • テーブル内で行を一意に識別できるすべての属性(または属性の組み合わせ)

  • 例えば、「社員番号」や「メールアドレス」など

主キー(Primary Key)

  • 複数ある候補キーのうち、1つを選びテーブルの識別子として使用するキー

代替キー(Alternative Key)

  • 候補キーのうち、主キーに選ばれなかったもの

これに対し、非キー属性はこれらいずれのキーにも属さず、識別には利用できない列を指します。

非キー属性の具体例と活用

非キー属性の例

以下のような「社員」テーブルを考えてみましょう:

  • 社員ID:主キー

  • 氏名、部署名、電話番号非キー属性

これらの非キー属性は、データを一意に識別するためには使えませんが、データの内容や意味を構成する重要な情報です。

非キー属性の役割と注意点

正規化における非キー属性の扱い

データベース設計では、非キー属性が関数従属するキーとの関係に注目することが重要です。

これにより、第2正規形(2NF)や第3正規形(3NF)への正規化が可能になります。

例えば:

  • 氏名 → 社員ID に従属していれば問題ありませんが

  • 部署名 → 電話番号 といった 非キー属性同士の従属がある場合、テーブル分割を検討すべきです。

データの整合性の観点

非キー属性が正しく設計されていないと、データの冗長性や不整合が発生しやすくなります。

これにより、システムの保守性やパフォーマンスにも悪影響が及ぶ可能性があります。

まとめ

非キー属性は、リレーショナルデータベースにおいてテーブル構造を理解し、正しく設計するうえで欠かせない要素です。

以下のポイントを押さえておきましょう:

  • 非キー属性とは、候補キーに含まれない列であり、レコードを一意に識別するためには使われない。

  • 主キーや候補キーとの明確な区別が設計の品質に直結する。

  • 正規化や関数従属性の観点から、非キー属性同士の関係性にも注目することが重要。

  • 適切な非キー属性の設計は、データの整合性・保守性・拡張性の向上に寄与する。

データベース設計における基礎として、非キー属性の概念をしっかりと理解しておくことは、今後の開発・運用フェーズでも大いに役立つはずです。

さらに参考してください:

【サージ防護デバイス(SPD)とは?】電子機器を雷や過電圧から守る仕組みと重要性を徹底解説

Rate this post
Visited 1 times, 1 visit(s) today