8進数とは?ITエンジニア必須の数値表現をやさしく解説|基礎からプログラミング応用まで

8進数(octal number)は、基数を8とする記数法で、主にIT・コンピュータ分野で利用される数値表現の一つです。

日常生活ではあまり目にする機会はありませんが、プログラミングやOS開発、ファイルパーミッションの表記など、技術的な場面では頻出の概念です。

本記事では、8進数の仕組み・10進数との違い・実際の使いどころまで、専門知識を交えながら丁寧に解説します。

8進数とは?基本の仕組みと表記方法

8進数の基本構造

8進数は、0〜7までの数字のみを使ってあらゆる数値を表現する記数法です。

位取りの重みは右から順に 1(8⁰)、8(8¹)、64(8²)、512(8³)… と8の累乗によって決まります。

例:8進数「755」の計算方法

「755」という8進数を10進数に変換すると以下のようになります:

このように、桁ごとの数値と基数の乗数を掛け合わせて合計することで10進数に変換できます。

小数点の扱い

小数部も同様に、小数点の右側から順に 1/8(8⁻¹)、1/64(8⁻²)、1/512(8⁻³)…と続きます。

たとえば、8進数「0.4」は:

と変換されます。

コンピュータにおける8進数の役割

2進数との関係と利便性

コンピュータ内部では2進数(バイナリ)が標準で使われていますが、長いビット列を人が読み書きしやすくするために、8進数や16進数に変換して使うことがあります。

  • 1桁の8進数は、ちょうど3ビット(2³ = 8)で表現できる

  • 8ビット(1バイト)を3桁弱の8進数で表現可能

  • 例:2進数「11111111」= 8進数「377」

このように、2進数を簡潔に表現する中間形式として8進数は一部の分野で重宝されてきました。

プログラミングにおける8進数の使い方

各言語での8進数リテラルの記述方法

プログラミング言語によって、8進数リテラルの記述方法が異なります。

以下に主要な例を示します。

※Pythonでは int("777", 8) のように、文字列から8進数として数値を作ることも可能です。

実用例:UNIXパーミッションの表記

UNIX系システムのファイルアクセス権(パーミッション)は、8進数表記で管理されています。

  • chmod 755 ファイル名

  • これは、オーナーに読み/書き/実行(7)、グループに読み/実行(5)、その他にも読み/実行(5)を意味します。

このように、8進数はOS操作やシステム管理でも必須の知識です。

8進数のメリットと制限

メリット

  • 2進数との変換が容易(3ビット単位)

  • 人間にとって読みやすく、エラーの確認がしやすい

  • シンプルな構造で一部の制御システムに適している

デメリット・制限

  • 16進数に比べて効率が劣る(1桁で表せるビット数が少ない)

  • 現代のITシステムでは利用頻度が低下

  • 一部の言語や仕様では非推奨またはサポート外

まとめ

8進数は、現代のプログラミングやコンピュータ科学における基礎的な記数法のひとつであり、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 0〜7の数字のみを使用し、8のべき乗で桁を構成

  • 2進数との親和性が高く、特にシステム分野で有用

  • プログラミングでは、言語ごとに異なるリテラル表記法が存在

  • UNIX系OSでのパーミッション管理など、現場での使用機会あり

現在では16進数の方が主流とはいえ、8進数を正しく理解することは、ITエンジニアにとって不可欠なスキルです。数値表現に強くなることで、より高度なシステム設計やデバッグが可能になります。

さらに参考してください:

8PSKとは?高速データ通信を支える位相変調方式の仕組みと応用を徹底解説

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