条件網羅(C2)は、ソフトウェアテストの重要な手法であり、プログラム内の条件分岐を評価するための基準です。
この手法は、テスト対象のすべての条件が「真」または「偽」である場合を少なくとも一度はカバーすることを目的としています。
この記事では、条件網羅の基本概念、他の網羅性基準との違い、具体的な実践例について詳しく解説します。
条件網羅の基本概念
1. 条件網羅とは
条件網羅は、プログラム内の個々の条件が「真」と「偽」の両方をテストすることを意味します。
これにより、複雑な条件分岐が正しく機能しているかを確認できます。
網羅性の水準は「条件網羅率」として測定され、テストされた条件の割合を示します。
2. ホワイトボックステストとの関係
条件網羅は、プログラムの内部構造に基づく「ホワイトボックステスト」の一部です。
このテスト手法では、コードの実行パスを理解し、すべての条件の真偽を確認することが求められます。
条件網羅の実践例
1. 複合条件のテスト
例えば、次のような複合条件があるとします。
この場合、以下の4つの組み合わせをテストする必要があります。
- (A, B) = (真, 真)
- (A, B) = (偽, 偽)
- (A, B) = (真, 偽)
- (A, B) = (偽, 真)
このように、条件網羅では個々の条件が持つ真偽のすべてを考慮する必要があります。
2. 他の網羅性基準との比較
条件網羅は「命令網羅」(C0)や「分岐網羅」(C1)と異なり、より多くのテストケースを必要とします。
命令網羅は、プログラム内のすべての命令が一度は実行されることを目的とし、分岐網羅は条件が真偽に基づいて分岐することを確認します。
しかし、条件網羅は条件の組み合わせを考慮するため、より高い網羅性を提供します。
複合条件網羅と複数条件網羅
1. 複合条件網羅(MCC)
複合条件網羅は、条件分岐に含まれるすべての条件の組み合わせをカバーすることを目的とします。
これにより、より複雑な条件の評価が可能になります。
2. 複数条件網羅
一般に「複数条件網羅」という用語は、複合条件網羅の同義語として使用されますが、異なる解釈もあります。
複数の条件分岐がある場合、そのすべての真偽の組み合わせを網羅することを指すことが多いです。
まとめ
条件網羅は、ソフトウェアテストにおいて重要な役割を果たし、プログラムの信頼性を向上させるために欠かせない手法です。
複雑な条件分岐を正確に評価するためには、条件網羅を実践し、他の網羅性基準との違いを理解することが重要です。
この知識を活用し、より堅牢なソフトウェア開発を目指しましょう。
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