トラッシング(trashing)とは、捨てられた書類や記憶メディアから情報を回収し、攻撃対象者の個人情報や機密情報を探し出す手法を指します。
この手法は、サイバーセキュリティの観点から非常に重要であり、個人や企業が情報漏洩のリスクを理解し、対策を講じる必要があります。
本記事では、トラッシングの具体的な内容、リスク、そして対策について詳しく解説します。
トラッシングの基本概念
1. トラッシングとは
トラッシングは、一般的に「ゴミあさり」と訳され、廃棄物の中から情報を回収する行為を指します。
家庭やオフィスから排出された廃棄物の中には、個人情報や機密情報が含まれていることが多く、これを不正に取得するために行われます。
トラッシングは、ソーシャルエンジニアリングの一形態であり、技術的手段を用いずに情報を収集する方法です。
2. トラッシングの手法
トラッシングでは、以下のような手法が用いられます:
- 書類やメモの回収: 廃棄された書類を拾い上げ、中身を確認します。
- 記憶メディアの探索: 光学ディスクやハードディスクなどの記憶媒体を探し、そのデータを解析します。
- コンピュータ本体の解析: 廃棄されたコンピュータから内蔵記憶装置を取り出し、データを確認することもあります。
これらの手法によって、個人情報や企業の機密情報が不正に取得されるリスクが高まります。
トラッシングのリスク
1. 情報漏洩の危険性
トラッシングによって取得される情報は多岐にわたります。
具体的には、以下のような情報が狙われることが多いです:
- 個人情報: 対象者の氏名や住所、勤務先など。
- 秘密情報: パスワードやクレジットカード番号など。
- 企業秘密: 組織の内部事情や機密情報。
これらの情報が漏洩すると、個人や企業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
2. 経済的損失
情報漏洩は、企業にとって多大な経済的損失をもたらします。
顧客の信頼を失うだけでなく、法的措置や賠償責任が発生することもあります。
したがって、トラッシングからの情報漏洩を防ぐことは、企業にとって非常に重要です。
トラッシング対策
1. 情報管理の徹底
トラッシングによる情報漏洩を防ぐためには、重要な情報を無闇に書き残さないことが重要です。
特に、以下の点に注意しましょう:
- メモやプリントアウトの管理: 重要な情報を記載したメモや書類は、必ずシュレッダーで処理してから捨てるようにします。
- 記憶メディアの処理: 古いハードディスクやUSBメモリは、専用のソフトウェアや装置を用いて完全に消去するか、物理的に破壊することが推奨されます。
2. 廃棄物の管理
廃棄物は信頼できる業者に引き渡すことが重要です。
公開スペースに廃棄物を放置することは避け、適切に処理するよう心掛けましょう。
まとめ
トラッシングは、廃棄物の中から個人情報や機密情報を回収する危険な手法です。
情報漏洩のリスクを軽減するためには、情報管理の徹底と適切な廃棄物の処理が必要です。
企業や個人がトラッシングのリスクを理解し、対策を講じることで、情報漏洩を防ぐことができるでしょう。