SDRAM(Synchronous DRAM)は、コンピュータの主記憶装置で広く使用されているメモリ規格の一つであり、1990年代半ばからEDO DRAMに代わって普及しています。
本記事では、SDRAMの基本的な仕組みや種類、さらにその進化について詳しく解説します。
SDRAMの基本概念
1. SDRAMの定義と特徴
SDRAMは、外部のクロック信号に同期して動作するDRAM(Dynamic Random Access Memory)の一形態です。1993年にJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)によって標準化されました。
従来のEDO DRAMなどの非同期メモリとは異なり、システムバスのクロック信号に同期して入出力を制御します。これにより、パイプライン処理が可能になり、前の命令の処理中に次の命令を受け付けることができるようになります。
2. SDRAMの種類
SDRAMの標準規格には以下の三つがあります:
- PC66:66MHzで533MB/sのデータ転送速度
- PC100:100MHzで800MB/sのデータ転送速度
- PC133:133MHzで1,067MB/sのデータ転送速度
これらの規格により、さまざまな用途に応じたメモリの選択が可能となります。
SDRAMの技術的な進化
1. DIMMとその構造
SDRAMは、DIMM(Dual Inline Memory Module)という形式のメモリモジュールに搭載されます。
DIMMは、184ピンのエッジコネクタを持ち、基板の片側に金属端子が並んでいます。
これにより、コンピュータのメインボードに簡単に接続することができます。
2. SDRとDDRの違い
最初のSDRAMは、クロック信号の立ち上がりでのみ動作していましたが、後にDDR(Double Data Rate)技術が導入され、信号の立ち上がりと立ち下がりの両方を利用してデータを2倍の速度で転送できるようになりました。
この技術は「DDR SDRAM」と呼ばれ、その後「DDR2」「DDR3」「DDR4」「DDR5」といった新しい規格が策定され、性能が向上しています。
SDRAMの実用例
1. コンピュータのメインメモリ
SDRAMは、デスクトップパソコンやノートパソコン、サーバーなどのメインメモリとして使用されます。
これにより、複数のアプリケーションを同時に実行する際のパフォーマンスが向上します。
2. ゲーム機やグラフィックスカード
最近のゲーム機やグラフィックスカードでもSDRAMが使用され、高速なデータ処理が求められる環境において、ユーザーに滑らかな体験を提供します。
まとめ
SDRAM(Synchronous DRAM)は、コンピュータのメインメモリとして重要な役割を果たしており、その進化により高性能なデータ処理が可能になっています。
さまざまな規格の中から適切なSDRAMを選択することで、システムの性能を最大限に引き出すことができます。最新のDDR規格により、さらに高速なメモリが実現されているため、今後の進展にも注目が必要です。
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