スティッキーセッション(sticky session)は、ロードバランサがクライアントのセッションを管理するための重要な機能です。
この機能により、同一のクライアントが同じサーバに誘導され、セッションの一貫性が保たれます。
本記事では、スティッキーセッションの定義、機能、利点、及び具体的な適用例について詳しく解説します。
スティッキーセッションの定義と機能
スティッキーセッションの基本
スティッキーセッションは、特にECサイトやオンラインサービスで重要な役割を果たします。
ロードバランサは、複数のサーバにアクセス要求を振り分ける役割を担いますが、クライアントの状態を管理する必要がある場合、同じサーバへのアクセスを保証することが求められます。
ロードバランサの役割
ロードバランサは、ネットワークの入り口でクライアントのアクセス要求を受け取り、複数のサーバに均等に分配します。
静的なコンテンツの場合、異なるサーバに振り分けても問題はありませんが、動的なコンテンツを提供する場合、同じサーバに接続されることが重要です。
スティッキーセッションの利点
一貫したセッション管理
スティッキーセッションを使用することで、クライアントが同じサーバに接続されるため、セッションの状態を一貫して管理できます。
これにより、ユーザー体験が向上し、特にECサイトなどでの購入プロセスがスムーズになります。
例: ECサイトの活用
例えば、ECサイトでは、ユーザーがショッピングカートに商品を追加した場合、その情報は特定のサーバに保存されます。
スティッキーセッションがなければ、ユーザーが別のサーバに振り分けられた際に、カートの情報が失われる可能性があります。
スティッキーセッションの実装
HTTP Cookieの利用
スティッキーセッションでは、サーバが発行したHTTP Cookieを利用してクライアントのセッション情報を管理します。
ロードバランサはこのCookieを読み取り、クライアントを前回アクセスしたサーバに誘導します。
独自のCookie管理
一部のロードバランサは独自にCookieを発行し、クライアントの状態を管理することも可能です。
これにより、セッション情報をさらに細かく管理できます。
まとめ
スティッキーセッションは、ロードバランシングにおいて非常に重要な機能です。
特に動的なコンテンツを提供するサイトでは、クライアントのセッションを一貫して管理することで、ユーザー体験を向上させることができます。
HTTP Cookieを利用したセッション管理や、独自のCookieを用いる方法は、今後のシステム設計においても重要な要素となるでしょう。
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