テクノストレス(technostress)とは、コンピュータの使用によって引き起こされる心理的・身体的な不調を指します。
この概念は1984年にアメリカの臨床心理学者クレイグ・ブロードによって提唱され、今日ではデジタル技術が急速に普及する中でますます重要な問題となっています。
本記事では、テクノストレスの具体的な症状、原因、そしてその影響について詳しく解説します。
テクノストレスの種類
テクノ不安症(techno-anxiety)
テクノ不安症は、コンピュータに適応できないことから生じる精神的な失調症状です。
具体的な症状としては、以下が挙げられます。
- 動悸
 - 息切れ
 - 肩こり
 - めまい
 - 鬱症状
 
今日の社会では、コンピュータを使用する必要がある場面が増えており、これに苦痛を感じる人々が増加しています。
特に、コンピュータに不安を抱える人は、日常生活にも影響を及ぼすストレスを感じることがあります。

テクノ依存症(techno-addiction)
テクノ依存症は、コンピュータに過剰に依存した結果、精神的な不調が生じる状態を指します。
この依存状態では、コンピュータがないと不安を感じ、人との関わりを煩わしいと感じるようになります。
具体的な症状には、次のようなものがあります。
- 自分の限界が分からなくなる
 - 時間感覚の喪失
 - 邪魔されることへの耐性の低下
 - 他者との接触を避ける傾向
 
これらの症状は、特に若者の間で顕著です。
オンラインゲームやSNSに過度に没頭することで、実社会との関係が希薄になることが社会問題として取り上げられています。
VDT症候群の影響
VDT症候群とは
VDT症候群(VDT障害)とは、パソコンのディスプレイを長時間見続けることによって生じる身体的・精神的な疾患を指します。
具体的な身体的症状には、以下が含まれます。
- 眼精疲労
 - 視力低下
 - 目のかすみ
 - ドライアイ
 - めまい
 
これらの症状は、長時間の作業によって引き起こされるため、特に注意が必要です。
労働衛生管理のガイドライン
日本の厚生労働省は2002年に、VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインを策定しました。
このガイドラインには、VDT障害を防ぐための作業管理方法や健康管理の方針が示されています。
ドライアイの影響
ドライアイは、涙液の減少によって目が乾燥する疾患です。
主な症状は以下の通りです。
- 目の疲労
 - 痛み
 - 乾燥感
 
ドライアイは、コンピュータを長時間使用することで悪化することが多く、視力に影響を与えることもあります。
予防策として、定期的に目を休めたり、まばたきの回数を意識的に増やすことが推奨されます。
まとめ
テクノストレスは、現代社会における重要な健康問題であり、適切な対策が求められます。
テクノ不安症やテクノ依存症、VDT症候群、ドライアイなどの症状は、コンピュータの普及とともに増加しています。
これらの問題を理解し、適切な対策を講じることが、心身の健康を守るために不可欠です。
