**SS7(Signaling System No.7)**は、電話ネットワークの通信と制御を実現するための国際的な標準プロトコルです。
日本を含む世界中の公衆交換電話網(PSTN)で広く使用されています。
本記事では、SS7の基本概念、構成要素、そしてその重要な役割について詳しく解説します。
通信ネットワークの信号処理の基盤となるこのシステムについて理解を深め、実際の運用における重要性を把握しましょう。
SS7の基本概念
SS7とは?
**SS7(Signaling System No.7)**は、電話ネットワーク内での信号の制御と管理を行うための標準プロトコル群です。
通話の開始、切断、接続の管理を行うための通信規約を規定しており、音声信号と制御信号を分離して扱うことを前提としています。
これにより、通話中にも制御信号の送受信が可能になります。
SS7は、次のような主要な機能を提供します:
- 通話制御: 電話の発信、着信、切断などの制御を行います。
- 経路情報管理: 通信経路の情報を管理し、通話の適切なルーティングをサポートします。
- 付加機能の実装: 発信者番号通知、自動転送などの機能を追加できます。
SS7の構成要素
MTP(Message Transfer Part)
**MTP(Message Transfer Part)**は、SS7の基盤となるプロトコルで、メッセージの転送を担当します。
通信ネットワーク内でのメッセージのルーティングと配送を行い、安定した通話の確立を支援します。
MTPは以下のレイヤーに分かれています:
- MTPレイヤー1: 物理的な通信路を提供します。
- MTPレイヤー2: データリンク層でのエラーチェックと修正を行います。
- MTPレイヤー3: 通信のルーティングとメッセージの転送を管理します。
SCCP(Signaling Connection Control Part)
**SCCP(Signaling Connection Control Part)**は、接続の確立、維持、切断を制御するためのプロトコルです。SCCPは、メッセージのルーティングとエンドツーエンドの接続の管理を担当します。
ISUP(ISDN User Part)
**ISUP(ISDN User Part)**は、ISDN(Integrated Services Digital Network)での通話の設定と管理を行うプロトコルです。
ISUPは、通話の開始、終了、そして通話中のサービスの管理をサポートします。
TCAP(Transaction Capabilities Application Part)
**TCAP(Transaction Capabilities Application Part)**は、通話とは直接関係ない追加機能を提供するためのプロトコルです。
例えば、発信者番号の通知や自動転送などの機能を実装することができます。
SS7の実際の応用
通話の管理
SS7は、電話ネットワーク内での通話の管理に欠かせないプロトコルです。
通話の開始から終了まで、すべての信号を適切に処理し、安定した通信を実現します。
付加機能の提供
SS7は、通話中の追加機能をサポートします。
発信者番号通知、自動転送、通話転送など、さまざまな機能が実装可能です。
ネットワーク間の相互運用性
SS7は、異なるネットワーク間での相互運用性を確保します。
これにより、異なる通信事業者やネットワークがスムーズに連携できるようになります。
まとめ
**SS7(共通線信号No.7)**は、電話ネットワーク内での信号処理と制御の基盤となる重要なプロトコルです。MTP、SCCP、ISUP、TCAPといった構成要素により、通話の管理、付加機能の提供、そしてネットワーク間の相互運用性を実現します。
SS7の理解と適切な活用は、通信ネットワークの信頼性と効率性を高めるために不可欠です。
このプロトコルがもたらす高品質な通信サービスは、現代の情報通信社会において重要な役割を果たしています。
さらに参考してください。