**iGPU(internal GPU)**は、コンピュータの性能に大きく寄与するグラフィック処理ユニットの一種です。
本記事では、iGPUの定義、dGPUとの違い、さらにはその利点と制約について詳しく解説します。
特に、現代のIT環境におけるiGPUの役割を理解することは、ハードウェア選定やシステム構築において重要なポイントです。
iGPUの基本概念
iGPUとは
iGPUとは、グラフィック処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)のうち、CPUやチップセットなどに組み込まれたものを指します。
iGPUは、**dGPU(discrete GPU)**と呼ばれる独立したGPUと対比される存在です。
GPUの役割
GPUは、3次元グラフィックス(3DCG)の描画や動画の圧縮・展開に使用される特定の数値計算を行うための演算回路を大量に内蔵したチップです。
これにより、CPUよりも高速に並列処理を実行することができます。
iGPUはこれらの処理をCPUと同じチップ内で実行できるため、効率的なデータ処理が可能となります。
iGPUの特徴
iGPUは、CPUやチップセットの一部として緊密に統合されています。
これにより、他の回路との通信が高速に行える利点がありますが、単体のdGPUと比較すると、素子数や消費電力の制約が大きく、並列度や処理性能では劣ることが多いです。
iGPUの進化
かつてはビデオチップは単体で提供されるのが一般的でしたが、2000年代に入り、チップセットにビデオ機能が統合されるようになりました。
2010年代からは、CPU内部にグラフィックス機能を統合した製品が主流となり、現在ではiGPUが一般的な形態として認識されています。
主要なiGPUメーカーとその製品
インテル(Intel)
インテル社では、Intel CoreシリーズのCPUに**「Intel HD Graphics」や「Intel Iris Graphics」、「Intel UHD Graphics」**といったブランドでiGPU機能を統合しています。
これにより、一般的な使用においても十分な性能を発揮することができます。
AMD
一方、AMD社では、dGPUの「Radeon」シリーズに相当するiGPU機能を、RyzenシリーズなどのCPU製品に統合しています。
これにより、ゲーミングやマルチメディア処理においても高いパフォーマンスを提供しています。
まとめ
**iGPU(内蔵GPU)**は、現代のコンピュータにおいて非常に重要な役割を果たしています。
dGPUと比較して、組み込みによる効率性やコストパフォーマンスの面でのメリットがある一方、性能面では制約があります。
しかし、インテルやAMDなどの主要メーカーが提供するiGPUは、一般的な使用において十分な性能を発揮し、ユーザーにとって便利な選択肢となっています。
iGPUの理解は、適切なハードウェア選定において不可欠な要素となるでしょう。