ダークファイバー（dark fiber）とは、敷設された光ファイバー回線のうち、現在は使用されていない「休眠中」の光ファイバーを指します。
データ通信量の増加に伴い、未使用のダークファイバーを活用する動きが注目されています。
本記事では、ダークファイバーの基礎知識から、その利用方法や利便性について詳しく解説します。
ダークファイバーの概要
ダークファイバーとは
ダークファイバーは、敷設された光ファイバー回線のうち、現在の通信サービスに使用されておらず、待機状態にある回線を指します。
通信事業者は、将来の需要増を見越して予備回線として多めに光ファイバーを敷設することが多く、その中で未使用のものがダークファイバーとなります。
- 例: 2000年代のインターネット普及期に、NTT東日本や西日本が大量に敷設した光ファイバーがダークファイバーとして存在しました。
ダークファイバーの利用と制度の変遷
ダークファイバーの利用は、2001年の制度変更により、本格的に通信事業者間の貸し借りが始まりました。
これにより、インフラ投資を抑えながらサービス拡大が可能になりました。
ダークファイバーの主な利用方法
ダークファイバーの利用方法は、契約形態によりさまざまです。
以下は代表的な活用方法です。
- 芯線貸し：光ファイバーケーブル1本単位での貸し出し。
- 波長貸し：光信号の波長を利用する貸し出し方式（WDM方式）。
- 帯域貸し：パケット通信回線としてデータ伝送量を単位とする貸し出し。
主な貸し手と借り手
ダークファイバーの貸し手には、NTT地域会社、ケーブルテレビ事業者、鉄道会社や電力会社などがあり、通信事業者やインターネットサービスプロバイダ（ISP）が借り手として利用しています。
ダークファイバーのメリットと注意点
メリット
- コスト削減：既存インフラの利用で、新規回線敷設のコストを削減できる。
- 拡張性：企業間の接続拠点やデータセンター間接続に利用しやすい。
- 効率的な資産活用：休眠資産を有効活用し、利用効率を向上。
注意点
ダークファイバー利用には、保守管理や信頼性の確保が求められます。
また、貸し出し単位によっては、帯域や波長の共有が必要になる場合があります。
まとめ
ダークファイバーは、未使用の光ファイバーを活用することで通信事業の効率化やコスト削減に大きく貢献します。
需要の増加に対応するため、今後ますます重要な資産となるでしょう。
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