IT分野ではよく使われる用語の一つに バウンダリ(boundary) があります。
直訳では「境界」「限界」を意味しますが、ITにおいてはメモリやネットワーク、システム構造など様々な文脈で使用されます。
本記事では、バウンダリ の意味をIT専門用語として掘り下げ、特にメモリアライメントやCPUの効率的なアクセスにおける重要性、具体的な使い方などをわかりやすく解説していきます。
バウンダリとは何か?
バウンダリの基本的な意味
バウンダリ(boundary) とは、「境界」「限界」「区切り」といった意味を持つ英単語であり、ITの分野では以下のような文脈で使用されます:
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メモリのアドレス配置における境界
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ネットワークやシステムの構造上の接続ポイント
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データ転送や通信プロトコルのセグメント区切り
特に、メモリアクセスの効率化 においては、バウンダリとアライメント の関係性が重要になります。
メモリアライメントとバウンダリの関係
メモリアクセスとCPUの仕様
現代のCPUは、32ビットや64ビットといった一定のデータ長単位でメモリにアクセスします。
このため、データを配置する際に、アドレスをデータ長の倍数に揃えることで、CPUが1回のアクセスでデータを取得しやすくなり、処理速度が向上します。
これを 「アライメント(alignment)」 と呼びます。
その際に基準となるアドレスの区切りが バウンダリ です。
例:4バイトのバウンダリ
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データ長に関係なく、アドレスは
0x00
,0x04
,0x08
など4の倍数から始まるように配置されます。 -
データが3バイトなど中途半端な場合、次のバウンダリに合わせてパディング(padding) を挿入します。
これにより、CPUは非効率なアンアラインドアクセス(unaligned access)を避け、高速かつ安定的に動作できます。
ITにおける他のバウンダリの活用例
ネットワーク通信におけるバウンダリ
通信プロトコルでは、パケットの区切りやデータセグメントを定義する際に バウンダリ が設定されます。
たとえば、MIME型のメールやHTTPのマルチパートリクエストでは、各パートのデータを区切るためのバウンダリ文字列を定義します。