平文(クリアテキスト)とは?リスクとセキュリティ対策を徹底解説

現代のITシステムにおいて、平文(クリアテキスト/プレーンテキスト)とは、暗号化されていない状態のデータを指します。

パスワードや認証情報が平文で送信されると、盗聴や改ざんなどのリスクが高まります。

本記事では、平文の定義や種類、リスク、そしてセキュリティ対策についてわかりやすく解説し、安全な実装を目指す開発者や運用者に向けた実践的な知見を提供します。

平文とはどんなデータか?

平文(cleartext/plaintext)の定義

平文(クリアテキスト/プレーンテキスト)とは、暗号化やハッシュ処理が施されていない状態のデータ全般を指します。

  • テキスト(パスワードやメッセージなど)だけでなく、

  • 画像・音声・動画・実行ファイルなどのバイナリデータも含む場合があります。

特にセキュリティ分野では、ネットワークや通信経路上でパスワードがそのまま送信される行為を「平文認証」と呼び、重大なリスクとされています。

平文とプレーンテキストの違い

用語の使い分け

  • クリアテキスト(cleartext):暗号化されていない意味での平文を指す。

  • プレーンテキスト(plaintext):主にテキストデータとして扱われるが、暗号以外の文脈で使われることもある。

例えば、"plaintext file"は単にバイナリではないファイル形式を指す場合もあり、暗号化との関連が必ずしもあるわけではありません。

平文認証のリスクと事例

平文認証(cleartext authentication)では、ユーザIDやパスワードがそのまま通信されます。
この方式では次のような脅威が生じます:

  • 盗聴:ネットワーク上を流れるデータが第三者に読み取られる

  • 改ざん:送信された情報が書き換えられる

  • リプレイ攻撃:盗んだ認証情報を再送し、不正にアクセスする

例として、古いFTPやTelnetプロトコルは平文で認証情報を送信するため、セキュリティ上の重大な欠陥とされています。

なぜ平文は危険なのか?

ネットワークと盗聴の脅威

SSL/TLSなど暗号化されていない通信経路では、攻撃者はスニッフィングによって平文を傍受できます。
その結果、ID・パスワード・クレジットカード情報などが漏洩するリスクがあります。

データ保管時の平文の問題

サーバー上やログファイルに平文のままデータを保存すると、内部犯行や不正アクセス時に流出の危険が増加します。

  • 例:アプリケーションログにユーザ入力をそのまま記録する

  • 例:設定ファイルに暗号化されていないAPIキーやパスワードを記載する

安全な通信と認証を実現する方法

暗号化とハッシュ化の導入

TLS/SSL通信の採用

ネットワーク上での通信には、必ずHTTPS(HTTP over TLS)やSSH、FTPSなどの暗号通信プロトコルを使用しましょう。

パスワードのハッシュ保存

ユーザのパスワードをサーバに保存する際はbcryptやArgon2などの強力なハッシュ関数を利用し、平文保存を避けます。

認証方式の安全な実装

  • チャレンジレスポンス認証(例:Digest認証やKerberos)は平文を介さずに認証できます。

  • OAuth2やOpenID Connectなどの認可トークン方式は、パスワードの丸見え送信を防ぎます。

まとめ

本記事のポイント

  • 平文(cleartext/plaintext)は暗号化されていないデータ全般を指し、特に認証情報は重大なリスク。

  • ネットワーク上や保管時の平文データは盗聴・改ざん・不正アクセスの原因となる。

  • 安全性の高い通信にはTLS/SSL・ハッシュ化・トークン認証などの対策が必須。

  • セキュリティは実装設計レベルから考慮し、運用全体で平文を排除する意識と実践が重要です。

平文の扱い方がITシステムの安全性を左右します。

最新の暗号技術や認証方式を取り入れ、安心・安全なサービス運用を実現しましょう。

さらに参考してください:

表領域(テーブルスペース)とは?DBMSの性能と管理を左右する基盤技術を徹底解説

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