Windowsメタファイル(WMF)とは?その特徴と脆弱性について

it用語辞書

**Windowsメタファイル(WMF)**は、Windowsが標準でサポートするベクター画像のファイル形式で、特にGDI(Graphic Device Interface)を用いた描画命令を列挙した形式です。

本記事では、WMFの基本的な特性、脆弱性、さらには拡張メタファイル(EMF)との違いについて詳しく解説します。

WMFの基本情報

WMFとは?

**Windowsメタファイル(WMF)**は、1990年にWindows 3.0で初めて採用されたベクター画像の形式で、標準のファイル拡張子は「.wmf」です。

この形式は、線分や矩形、円弧、文字を組み合わせた図形を描画するための命令が順に列挙されており、これを実行することで画像が表示または印刷されます。

WMFの構造

WMFファイルは、GDIに対する一連の描画命令から構成されます。

これにより、WMFファイルは小さなサイズで高品質の画像を保持でき、特に印刷用途で広く利用されています。

WMFの脆弱性

セキュリティリスク

2005年末に、WMF形式のファイルを処理するWindowsのプログラムに深刻な脆弱性が発見されました。

この脆弱性により、画像に埋め込まれた任意のコードが実行される恐れがあり、「画像を閲覧するだけで感染するウイルス」が開発される事態を引き起こしました。

この問題は社会に大きな影響を与え、2006年には修正プログラムが発行されました。

影響と対策

この脆弱性は、WMFファイルを扱う際に十分な注意が必要であることを示しています。

特に、不明なソースからのWMFファイルを開くことは危険であり、信頼できるアンチウイルスソフトウェアの使用が推奨されます。

Windowsメタファイル(WMF)

拡張メタファイル(EMF)

EMFとは?

**拡張メタファイル(EMF)**は、WMFを拡張した32ビットGDIの描画命令を記録するベクター画像の記録形式で、標準のファイル拡張子は「.emf」です。

EMFは、Windows 95で導入され、印刷の際にアプリケーションがデータをプリンタドライバへ渡すための標準形式となっています。

EMFの機能と利点

EMF形式は、追加された新しいGDIコマンドの記述に対応しており、特にWindows XP以降はGDI+に対応したEMF互換の拡張形式であるEMF+も利用されます。

この拡張により、より高度な描画機能が実現され、印刷品質が向上しました。

まとめ

**Windowsメタファイル(WMF)**は、Windows環境で広く使われているベクター画像形式であり、GDIを利用した描画命令から構成されています。

しかし、WMF形式にはセキュリティ上の脆弱性が存在し、特に不明なファイルを開く際には注意が必要です。

一方で、拡張メタファイル(EMF)はWMFの機能をさらに発展させ、印刷用途での利便性を高めています。

WMFおよびEMF形式を正しく理解し、適切に活用することが重要です。

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