ロードバランシング(load balancing)は、複数のシステムや機器に処理負荷を均等に分散させる技術です。
これにより、システム全体の性能向上や耐障害性の向上が図れます。
本記事では、ロードバランシングの定義、サーバロードバランシングの具体的な仕組み、そしてその利点について詳しく解説します。
ロードバランシングの基本概念
ロードバランシングとは?
ロードバランシングとは、同一の機能を持つ複数の機器やシステムの間で、負荷を均等に分散することを指します。
この分散を行うための機器やシステムを「ロードバランサ」と呼びます。
一般的に、コンピュータの内部リソース(CPUやストレージなど)にも適用されますが、特にネットワーク上でのサーバへの処理要求の分散に関して言及されることが多いです。
サーバロードバランシング(SLB)
サーバロードバランシングの定義
サーバロードバランシング(SLB:Server Load Balancing)は、ネットワーク上での外部からのサーバへの処理要求を複数のサーバに分散させて処理する仕組みです。
これにより、個々のサーバの負荷を軽減し、全体のパフォーマンスを最適化します。
サーバ構成とロードバランサの役割
複数の同等のサーバを準備し、外部との接続部分にロードバランサを設置します。
ロードバランサは、外部からの接続要求を一定のルールに基づいて各サーバに振り分け、負荷を分散します。
この振り分けにはいくつかの方式があります。
1. ラウンドロビン方式
「ラウンドロビン」方式では、接続要求が各サーバに均等に割り当てられます。
シンプルで効率的な方法ですが、各サーバの負荷状況に関係なく均等に分配されるため、状況によっては不均衡な負荷が発生する可能性があります。
2. 最小接続方式
「最小接続」方式では、現在接続中の数が最も少ないサーバに要求が割り当てられます。
これにより、サーバ間の負荷が均等に保たれやすくなります。
3. 最速応答時間方式
「最速応答時間」方式では、最も早く応答したサーバに接続要求が割り当てられます。
これにより、ユーザーは迅速なサービスを受けることができます。
グローバルサーバロードバランシング(GSLB)
国際的なサービスを提供する場合、地理的に分散されたサーバを利用して、クライアントから最も近いサーバに接続させる「GSLB」(Global Server Load Balancing) という方式もあります。
これにより、ネットワーク遅延を減少させ、パフォーマンスの向上を図ることができます。
セッション管理と課題
同じ利用者が特定の文脈(セッション)のもとで繰り返し要求を送信する際、毎回異なるサーバに接続されると、処理の矛盾が生じる可能性があります。
そのため、同一セッション中は前回と同じサーバに割り当てる制御が必要になる場合があります。
このような制御を行うことで、ユーザー体験の質を保つことができます。
まとめ
ロードバランシングは、システム全体のパフォーマンス向上や耐障害性の向上に寄与する重要な技術です。
特にサーバロードバランシングは、負荷を効率的に分散することで、ユーザーに対して迅速で安定したサービスを提供します。
今後のITインフラにおいて、ロードバランシングの理解と適切な実装がますます重要になるでしょう。
さらに参考してください。