シックプロビジョニング(Thick Provisioning)は、仮想マシン(VM)にストレージを割り当てる際の重要な手法の一つです。
この方式では、実際に確保したいストレージの容量を物理的に予約することで、仮想環境の効率性やパフォーマンスを確保します。
本記事では、シックプロビジョニングの基本概念、利点、及びシンプロビジョニングとの違いについて詳しく解説します。
シックプロビジョニングの基本概念
定義
シックプロビジョニングとは、仮想化環境において、仮想マシンに特定のストレージ領域を割り当てる際に、必要な全容量を物理的に確保・予約する方法です。
この方式は、複数のストレージ装置を統合したストレージプールから、特定の容量を確保して仮想ディスクを作成する際に使用されます。
ストレージの割り当て方法
シックプロビジョニングでは、割り当てられたストレージ領域が物理的に確保され、空き領域として利用できる状態になります。
これにより、ユーザーは自由にデータの読み書きを行うことができますが、一度確保されたストレージは他の用途に転用することができず、装置の利用効率は低くなります。
シックプロビジョニングの利点
高速なパフォーマンス
シックプロビジョニングでは、全てのストレージ領域が事前に確保されるため、仮想マシンのパフォーマンスが向上します。
特に、IO性能が求められるアプリケーションでは、この方式が有効です。
シンプルな管理
ストレージ領域が固定的に確保されるため、管理が容易です。
容量の計画や使用状況のモニタリングが単純化されます。
安全性
シックプロビジョニングでは、割り当てられたストレージが他のVMと共有されることがないため、データの安全性が高まります。
特に、機密情報を扱う場合には重要なポイントです。
シンプロビジョニングとの違い
シンプロビジョニング
対照的に、シンプロビジョニング(Thin Provisioning)は、使用開始時に最小限の容量を割り当て、データの書き込みに伴って必要に応じてストレージを動的に追加していく方式です。
これにより、空き領域を有効に活用できますが、パフォーマンスの低下や管理の複雑さが懸念されることがあります。
まとめ
シックプロビジョニングは、仮想化環境におけるストレージ管理において重要な手法です。
全容量を物理的に確保することで、性能や安全性を向上させる一方で、利用効率が低下するという欠点もあります。
シンプロビジョニングとの使い分けを考える際には、具体的な用途やビジネスニーズに応じて最適な方法を選択することが重要です。
シックプロビジョニングを理解し、適切に活用することで、仮想化環境のパフォーマンスを最大化しましょう。
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