ISSU(In-Service Software Upgrade)は、ネットワーク機器の稼働を止めずにソフトウェアを更新する技術です。
通常のシステム更新とは異なり、サービスを中断することなくアップグレードが可能であり、特に高可用性が求められる環境で重要な役割を果たします。
本記事では、ISSUの基本概念、利点、利用シナリオ、および具体的な実装方法について解説します。
ISSUの基本概念とメリット
ISSUとは?
ISSU(インサービスソフトウェアアップグレード)は、ネットワーク機器のOSやソフトウェアを無停止でアップグレードする機能です。
ルーターやスイッチなどの機器では、通常、OSの更新の際にシステムの停止が必要です。
しかし、ISSUを利用することで、機器が稼働したまま更新を行うことができ、ネットワークのダウンタイムを回避します。
ISSUのメリット
- 無停止でのアップグレード: 業務に影響を与えず、ネットワークの稼働を維持したままソフトウェアの更新が可能です。
- サービスの連続性: 重要な業務環境でのシステム運用中に中断することなく、更新が行えるため、サービスの継続性が確保されます。
- 障害対応の迅速化: 不具合修正やセキュリティパッチの適用が即時に行えるため、システムの脆弱性が迅速に解消されます。
ISSUの仕組みと実装方法
ロールバック機能によるリスク管理
ISSU対応機器では、アップグレードに失敗した場合にシステムを元のバージョンに戻すロールバック機能が提供されています。
これにより、アップグレード中に予期しない問題が発生しても、システムを安定した状態に戻すことが可能です。
実装方法の具体例
ISSUの実装方法はメーカーによって異なりますが、代表的な方式には以下の2つがあります。
1. 二重構成での分割更新
たとえば、Cisco社の方法では、同一機種の2台を論理的に1台として運用し、片方ずつ更新することで無停止更新を実現します。
この方式では、まず一方の機器のソフトウェアを更新し、その後、もう一方を更新することで、外部から見てネットワークの停止が発生しないようにします。
2. 仮想マシン(VM)による並列更新
Juniper Networks社の方式では、ネットワーク機器内部でOSを仮想マシン上で動作させ、2つの仮想マシンを並列に稼働させることで、無停止での更新を実現します。
このアプローチでは、片方の仮想マシンを更新し、その間ももう片方の仮想マシンが通常通りに機能を提供し続けるため、システムの可用性を高く保つことができます。
ISSUの適用シナリオと実際の活用例
高可用性が求められる環境
ISSUは、金融機関や医療機関のように24時間365日の無停止運用が求められるシステムにおいて有効です。
たとえば、トランザクション処理を常時行っているデータセンターでは、わずかなダウンタイムも許容されないため、ISSUのような無停止更新が必要不可欠です。
ネットワークのセキュリティ強化
セキュリティパッチの適用が頻繁に必要な場合にも、ISSUは非常に有効です。
ゼロデイ攻撃などの脅威が発見された際に、迅速にパッチを適用してセキュリティリスクを軽減できます。
まとめ
ISSU(インサービスソフトウェアアップグレード)は、ネットワーク機器の無停止更新を可能にするための重要な技術です。
業務に影響を与えることなく、システムのパフォーマンス向上やセキュリティの強化が行えるため、特に高可用性が求められる環境での導入が推奨されます。
各メーカーが提供する異なる実装方法を理解し、適切なシナリオでの活用を検討することが、システムの安定運用に繋がります。