ACK番号(確認応答番号)は、TCP通信において、受信側がどのデータまで受信したかを送信側に通知する重要な要素です。
本記事では、ACK番号の定義、機能、そしてTCPプロトコルにおける具体的な利用方法について詳しく解説します。
ACK番号の基本
ACK番号の定義
ACK番号は、送信側から送られたシーケンス番号に受信が完了したバイト数を加算した数値です。
この番号は、データが正しく受信されたことを示すために使用され、通信の信頼性を確保する役割を果たします。
TCPプロトコルの役割
**TCP(Transmission Control Protocol)**は、IP(Internet Protocol)とともに動作し、データの受信確認や再送制御を行います。
これにより、信頼性の高い通信が可能となります。
具体的には、Webコンテンツを伝送するHTTPなどのアプリケーション層のプロトコルで広く利用されています。
ACK番号の機能
データのセグメンテーション
TCPでは、アプリケーション層から受け取ったメッセージを一定のサイズの「セグメント」に分割して送信します。
受信側では、送信されたセグメントを受信順に連結し、元のデータを再構築します。
送信側は、各セグメントにデータ全体のどの部分を示す「シーケンス番号」を付与して送信します。
受領確認とACK番号の送信
受信側は、受け取ったセグメントのシーケンス番号に受信済みのデータのバイト数を加算したACK番号を生成し、送信側に受領確認のパケットを返信します。
このACK番号は、次に送信されるセグメントのシーケンス番号として使用されます。
このやり取りは、データ全体が送信されるまで繰り返されます。
再送制御の仕組み
初期のTCP実装
初期のTCP実装では、セグメントを一つ送るごとに受領確認を受け取る方式が採用されていました。
もし途中でセグメントが欠落した場合、送信側は一定の時間(RTO:Retransmission Time Out)待機し、受領確認が届かない場合には同じセグメントを再送します。
現在の効率的な伝送方式
現在では、セグメントを次々に送信する方式が一般的です。
この場合、受信側は到着したセグメントに基づき、正しく受領できたバイト数までのACK番号を返します。
送信側に対して3回連続で同じACK番号が返送された場合、その手前に送ったセグメントが届いていないと見なされ、再送が行われます。
まとめ
**ACK番号(確認応答番号)**は、TCP通信の信頼性を確保するために欠かせない要素です。
受信側から送信側へのデータの受領確認を行うことで、データ伝送の整合性を保ちます。
また、再送制御の仕組みにより、効率的な通信が実現されています。
これらの知識を理解することで、TCP通信の仕組みや関連技術に対する理解が深まります。
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