bpp(bits per pixel、ビット毎ピクセル)は、画像やディスプレイで表示される1ピクセルあたりの色情報量を表す単位です。
デジタル画像やモニターの色表現力(色深度)を理解する上で、非常に基本かつ重要な概念です。
この記事では、bppの基本から計算方法、フルカラーやインデックスカラーとの関係性、画像処理における実用例までを、ITエンジニアやデザイナー向けにわかりやすく解説します。
bpp(bits per pixel)とは?
基本定義と色数の関係
bppとは、1ピクセルを表現するために使用されるビット数を意味し、数値が大きいほど多くの色を表現できます。
具体的には、2^n通りの色を示します(n = bppの値)。
bppの種類と応用技術
フルカラー(True Color)
24bppは、RGB(Red, Green, Blue)の各色に8ビット(256階調)を割り当て、合計 256×256×256 = 16,777,216色を表現可能とします。
これをフルカラー(true color)と呼び、写真や動画、ゲームなどに広く使われています。
32bppとの違い
32bppは、24bppに加えアルファチャンネル(透明度情報)を8ビット追加した形式です。
背景透過や合成処理に使われ、PNG形式やGUI描画などで頻繁に利用されます。
インデックスカラー(Indexed Color)
8bppや4bppなど色数が制限される場合には、実際の色ではなくカラーパレット内のインデックス(色番号)を参照して色を定義する方法が採用されます。
この仕組みをインデックスカラーといい、画像ファイル内にはパレットテーブル(カラーパレット)が含まれ、色番号とRGB値の対応関係が記述されています。
例:8bpp画像の表示処理
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ピクセルの値:
45
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カラーパレット内の45番目:
R=255, G=200, B=0
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実際の画面表示:オレンジ色として描画
この方法により、ファイルサイズの小型化と色管理の簡易化が可能になります。
IT分野におけるbppの実用例
画像フォーマットにおけるbpp
ディスプレイやGPUにおける役割
ディスプレイやGPUでは、bppが色精度と描画性能に直結します。
ハイエンドモニターでは、10bitカラー(30bpp)に対応し、HDR表示や写真編集向けに高精度な色表現が求められます。
まとめ
bpp(bits per pixel)は、1ピクセルあたりに保持される色情報の量を示す重要な指標であり、画像処理・ディスプレイ表示・プログラミングの各分野において不可欠な概念です。
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bppが大きいほど表現できる色が豊かになり、より自然な画像が得られる
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8bpp以下ではインデックスカラーを使用し、ファイルサイズを抑える手法が主流
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24bpp/32bppは、現代のフルカラー画像やGUIにおける標準フォーマット
bppを理解することで、適切な画像形式の選定やシステム要件の設計に大きなアドバンテージを得られます。
ITエンジニアとして知っておくべき基礎知識のひとつです。