bps(bits per second)は、ネットワークや通信回線におけるデータ伝送速度を示す最も基本的な単位です。
1秒間に送受信できるビット数(0と1のデジタル信号)を表し、通信インフラやネットワーク設計、IoT機器、ストリーミングサービスの性能評価など、あらゆるIT分野で活用されます。
本記事では、bpsの定義や単位変換の方法、バイト毎秒との違い、利用シーン別の適用例を詳しく解説します。
bpsとは何か?
データ伝送速度の基本単位
bps(bits per second)とは、「1秒間に送信または受信できるビット数」を示す単位です。
例えば、100bpsであれば、1秒間に100ビット(0または1のいずれか)の情報が伝送されるという意味になります。
ビットとバイトの違い
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ビット(bit):最小のデータ単位。「0」または「1」
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バイト(Byte):8ビット = 1バイト(1B)
つまり、8bps = 1B/s(バイト毎秒)となります。
bpsの単位と接頭辞の使い方
SI接頭辞による表記例
通信速度が高速になると、以下のように接頭辞を使って表記されます。
※ 「k」=1000倍 であり、「K=1024倍」とする古い慣例も存在しましたが、現在はIECの勧告により「Ki」(キビ)などを1024倍の単位として区別するよう統一が進められています。
SIとIECの単位の違い(補足)
bpsとBytes/sの違い
bps(ビット毎秒)
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主に通信回線やネットワークの速度表記に用いられます。
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例:インターネットの速度「100Mbps」「1Gbps」など。
Bytes/s(バイト毎秒)
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記憶装置や周辺機器とのデータ転送速度など、近距離通信や内部バスで使用されることが多い。
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例:USB 3.0の転送速度「500MB/s」など。
換算方法
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1Byte = 8bits
例:100Mbps = 12.5MB/s(100 ÷ 8)
bpsが使われる場面と実用例
ネットワーク回線
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光回線(FTTH):1Gbps〜10Gbps
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ADSL:1〜50Mbps(サービス終了傾向)
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モバイル通信(5G):理論上最大20Gbps
IoT・組み込み機器
低消費電力なIoT通信規格(LoRa、Zigbeeなど)では、数kbps〜数百kbps程度の低bps環境で通信が行われるケースが多い。
例:LoRa通信
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使用bps:0.3kbps〜50kbps
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目的:長距離かつ低電力通信
ストリーミング・オンライン動画
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YouTubeフルHD(1080p):5〜8Mbps
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4K動画配信:15〜25Mbps
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オンライン会議(Zoomなど):1〜3Mbps
まとめ
bps(bits per second)は、1秒間に送受信されるビット数を示す、通信速度の最も基本的な単位です。
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bpsの値が大きいほど高速な通信が可能
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SI接頭辞(kbps、Mbps、Gbpsなど)を理解することが重要
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Bytes/sとの違いに注意し、用途に応じて正しい単位を選択する必要がある
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ネットワーク・IoT・映像配信など、幅広い分野でbpsが利用されている
bpsを正しく理解すれば、通信性能の評価や仕様書の理解、サービス選定に役立ちます。
IT技術者にとって必須の基礎知識です。