C.I.A.モデルとは?情報セキュリティの三本柱を徹底解説

C.I.A.(Confidentiality, Integrity, Availability)は、情報セキュリティの基本的な概念であり、企業や組織が情報を安全に管理するための重要な要素です。

本記事では、C.I.A.の各要素である機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)について詳しく解説し、実際の適用方法やその重要性を明らかにします。

C.I.A.モデルの概要

機密性(Confidentiality)

機密性は、情報にアクセスする権限を持つ者だけがその情報に触れられる状態を指します。

これを実現するためには、次のような対策が必要です:

  • 利用者の識別と認証:システムにアクセスする際、適切な認証手続きを設けることで、正当な利用者を確認します。
  • 権限付与の手続き:情報へのアクセス権を適切に設定し、許可されていない者がデータを閲覧したり取得したりできないようにします。
  • データ保護措置:暗号化やアクセス制御を用いて、情報を安全に保護します。

完全性(Integrity)

完全性は、情報が改ざんされず、欠落がない正確な状態を指します。

完全性を維持するための主な手法には以下があります:

  • 改ざん防止措置:データの書き換えや削除を防ぐための技術的な手段を導入します。
  • 要約値(ハッシュ)の利用:データの整合性を確認するため、ハッシュ関数を用いて変更履歴を記録します。
  • バックアップと復旧:意図しないデータ損失や改ざんに対する復旧手段を整備します。

可用性(Availability)

可用性は、必要な人が必要な時に情報にアクセスできる状態を維持することを意味します。

可用性を確保するためには、次のような対策が考えられます:

  • 冗長構成:システムの冗長化を行い、障害が発生してもサービスが継続できるようにします。
  • データバックアップ:定期的なデータのバックアップを行い、データ喪失に備えます。
  • 安定した運用体制:システムを安定的に運用するための体制を整備します。

C.I.A.の進化と新たな要素

C.I.A.モデルとは

C.I.A.の概念は1992年にOECDによって初めて提唱され、その後様々な規格やガイドラインに引用されてきました。最近では、以下の新たな要素も加わり、より包括的な情報セキュリティのフレームワークが形成されています:

  • 真正性(Authenticity):情報の出所や発信者が正当であることを確認します。
  • 責任追跡性(Accountability):行動の記録を保持し、責任を持って対処するための手段です。
  • 信頼性(Reliability):システムが常に正しく機能することを保証します。
  • 否認防止(Non-repudiation):情報の送信者がその行動を否認できないようにするための措置です。

まとめ

C.I.A.モデルは、情報セキュリティの根幹を成す重要な概念です。

機密性、完全性、可用性をバランスよく維持することで、組織は情報資産を効果的に保護し、リスクを低減することができます。

新たな要素も含めて、情報セキュリティ対策を強化することが、現代の情報社会においてますます重要となっています。

 

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